閑・感・観~寄稿コーナー~
SALON

ヘアドネーションしました(工藤 由季子)

2022.12.15

閑・感・観~寄稿コーナー~

 2022年の夏、ヘアドネーションしました。寄付したのは、Japan Hair Donation & Charity(JHD&C・通称ジャーダックhttps://www.jhdac.org/)という団体で、脱毛症などの病気や、小児ガン等の治療に伴う薬の副作用で頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちに、医療用ウイッグを無償提供しています。未来ある子どもの役に立ちたいという思いと、団体代表者への共感からここに決めました。

 ヘアドネーションは、長年の夢でした。父がガン治療の副作用で頭髪がなくなった時に、おじいさんやからまだいいけど、女性や子どもならどんなに辛いだろうと感じ、どうせ伸びる髪の毛で誰かのお役に立ちたいと思いました。でも、在職中は多忙で、髪の手入れに時間をかけられません。何度も志しては、そのたびに挫折していました。そして、退職。まもなくコロナ禍でステイホームになり、チャンス到来です!今回はやり遂げると固く決意しました。

 それから3年、今夏36㎝の髪の毛を寄付することができました。子どもにあげる髪だから、シャンプーやドライヤーもいいものを使い、手入れもがんばりました。寄付を待つ女の子はロングヘアーに憧れていて、50㎝以上が喜ばれるのですが、ロン毛によるストレスは大きく、あと1年以上伸ばすのは無理でした。そこで、寄付する部分を出来るだけ長くカットしてもらうことで、自分の中で折り合いを付けました。

 1体のウイッグを作るには、30~50人のヘアドネーションが必要だそうです。私が3年がんばって寄付した髪の毛は1/30、1/50にしかなりませんが、わずかでも貢献できて感無量です。ただ、この団体の代表者は、「髪がないことも一つの個性として受け入れられる、ウイッグを必ずしも必要としない社会の実現」を理想としています。私は、そこに強く共感しました。子どもたちが、髪のあるなしに関わらず子どもらしく伸び伸びと生きられたらいいなあと思っています。

                       (元営業本部・工藤 由季子)