閑・感・観~寄稿コーナー~
SALON

販売局出身の152歳が現役で頑張っています(山田 政利 、澤田 幸久)

2021.10.08

閑・感・観~寄稿コーナー~

 カバンとともに 2人で約 60年、担当社員として大阪本社管内の増紙・輸送競争、販売店の新設、育成、代金回収、業務労務支援等多岐にわたる仕事を経験しました。中でも戸別配達制度維持のため新聞少年センバツ招待や毎日育英会時代の新聞奨学生の募集や育成、バブル時の戸別配達制度崩壊の危機に中国長春やハルピン,成都などへ赴き、中国人奨学生の招へい等、頑張る若者とのかかわりが苦しい中でも楽しく思い出されます。
 面白いことにこのことが私の人生を変えました。奈良県にある創立27年、新学舎移転 7年目の小さな私立大学で、学生を立派な職業人として世に出す仕事を命じられたのです。大学就職部長としての第二の人生、意気揚々出発のはずでしたがバブルが崩壊、新卒内定者取り消し等就職氷河期に突入。卒業はするが就職先がない、いわゆる学卒無業者、ニートの誕生です。卒業はするので学校内で彼らの支援は出来ないため仲間と「NPO 法人キャリアサポートセンター奈良」を設立しました。
 人生第三のスタートです。ニートの就労支援で始めたのですが時代が移ると共に、ニートからひきこもり、ひきこもりから精神障害と自信喪失など病んでいる若者が増え、自立支援、障害福祉施設までやる羽目になってしまいました。以来理事長として 17年彼ら支援に明け暮れています。

 そして 6年前に澤田幸久君がみるに見かねて応援してくれて、今や自立支援員兼ジョブコーチとして私の片腕として活躍してくれています。

                                (元販売局・山田 政利)

 

 販売局から(株)大毎協へ、定年真近にした約6年前のある日、山田理事長さんから「若者自立・就労支援事業として新たに障害福祉事業をやるので一緒にやろう」と声掛けをもらいました。予備知識も資格も無い自分に出来るか不安でした。でも、自分は「人が好き」「若者と会話をすることが好き」なところをこの機会に活かせればと思い、オーケーをして6年が経過しました。
 資料では奈良県内に約8,000 人以上のひきこもりの若者がいます。本人達は昼夜逆転の生活がほとんどです。ひきこもり期間が1年から長い若者は10年以上の人もいます。症状は「自分の部屋から出られない」などさまざまです。
 県内の団体、自治体、企業に支援事業の協力をお願いし、広報するなかで家族及び当事者と出合い、話し合いを重ねスタッフ全員の支援活動により、この6年間に相談者が700 人近くになり、セミナーに 177人が参加、就労訓練を経て約62%の若者が就職し社会で活躍しています。
 多機能施設「ワーク・わく」には軽度の社会不安症やうつなど、病んでる若者が毎日20人ほど通ってきます。軽作業指導やセミナーを通じて若者との信頼関係を構築し、その特性に気づき社会で活かせる道を一緒に考えて行けたらと今日も無我夢中の日々です。

                                (元販売局・澤田 幸久)