2025.01.09
閑・感・観~寄稿コーナー~
やっと秋らしくなった昨年(2024)年11月12日のことです。京都市を流れる桂川の松尾橋周辺で、自然保護団体が催した河川清掃活動があり、参加しました。火バサミを手に川原の草むらに分け入り、草木に絡んだレジ袋や肥料袋、シート類、泥や砂をかぶった空き缶やペットボトル、水辺に寄せられた食品トレイなどのごみを拾い集め、30分足らずで45リットル入りの袋がいっぱいになりました。
この日は11人が参加しました。ほとんどがシニア世代で、各々が自分の体力に合わせ思い思いに川原の自然とふれあいながら清掃。拾い集めたごみは合計7袋。袋に入らない段ボールやパイプ、長いポールもありました。10日前に集中豪雨による洪水があり、上流から流されてきたごみが目立ち、ヤナギなどの樹木に絡みついて景観を壊しています。
川のボランティアのきっかけは、学研宇治支局員時代に、京都府南部の木津川で活動する淀川管内河川レンジャー(付記)を取材してからです。大阪湾から遡上する天然アユの生態調査や堤防法面に生える希少植物保全に興味を覚え、離職後の2016年に河川レンジャーの養成講座を受けて任命されました。
美化活動場所は、自宅近くの桂川です。世界的に有名な景勝地・嵐山があり、沿川には住宅が集まる都市河川です。生物多様性も豊かで多くの課題がありました。その一つが河川美化です。先輩たちが2008年から取り組んでいた「桂川流域クリーン大作戦」の実行委メンバーに。
この大作戦は毎年2~3月に京都・大阪府境の島本町から日吉ダムのある南丹市まで約60㌔の桂 川両岸で、二十数か所の拠点を設けて清掃に取り組み、多い年には約3000人の参加がありました。大がかりな活動だけではありません。小さな団体は毎月ように企画する清掃に参加し、大量のごみが寄ればキャラバンを組んで清掃もしました。でも川ごみはなくなりません。「ごみを捨てないで」とマナーやモラルに訴える難しさを味わっています。
◆2月23日と3月2日にクリーン作戦
最後にお願い。第18回桂川流域クリーン大作戦が2月23日(京都以南)と3月2日(亀岡市、南丹市)に行われます。桂川以外の木津川、宇治川、淀川本川でも1~3月に河川レンジャーらが中心になって清掃活動を予定しています。興味のある方は、淀川水系一斉美化アクションのWEBサイトでご確認ください。https://www.river-ranger.jp/beautification/
<付記>淀川管内河川レンジャーは、国土交通省淀川河川事務所が管理する淀川水系で、住民参加による川の管理を目指し、住民と行政の橋渡し役を担っています。活動分野は、流域・治水、環境保全、河川利用、維持管理、歴史・文化、人づくり・川づくりです。
(元明石通信部 南良 靖雄)