閑・感・観~寄稿コーナー~
SALON

ユーチューブ「ギター教室」へのお誘い(増井 敬冶) 

2021.12.03

閑・感・観~寄稿コーナー~

 コロナ禍でどこにも行けずに、「ギターでも練習しようか」、私の「70」の手習いの始まりでした。

 中学生の頃に「禁じられた遊び」が弾きたくてギターを買ってもらいました、当時はまだDVDもなくLP付きの教則本を通信販売でこれも買ってもらった記憶があります。何とか弾けた、のレベルでした。

 次にギターを手にしたのは、吉田拓郎やかぐや姫にあこがれて弾き語りをやりたくて始めました。コードを覚えてジャガジャガやっていましたが、これも長続きせずにギターは押し入れに。

 あれから50年近い月日が流れ、あのギターを引っ張り出してきました、弦を張り替えれば何とか使えるのでは…。

 さあここからがユーチューブの「先生」方との出会いです、私のギターはクラシックギターなので、それ用の弦を大手ネット通販で1500円位のを購入しました。でも弦の張り方は全く覚えていないので、「ギター 弦の張り替え」で動画の検索をかけると出るは出るは。楽器店の店員さん、ギター講師、シンガーソングライターの方などたくさんの方が動画を上げていますので「先生」となる動画は選び放題です。

 弦が張り終えたら次にチューニングです、音叉を使ってチューニングしていた記憶があるのですが今はチューニングチューナーという便利なものがあり、クリップ式になっていてギターのヘッドに取り付けるだけなので簡単です。これも通販で1500円位のものを購入しました、チューニングの方法は「チューニングチューナー」で検索するとこれもたくさん出てきますので気の合う「先生」を見つけてください。

 最後にギター指導をしてもらう「先生」選びです。私はフォークソングが好きだったのでJ-POPの曲からスピッツの「チェリー」を教えてくれる「先生」を探しました。(ピックでジャガジャガ鳴らしたかったのでこの曲に決めました)「ギター チェリー」で検索するとうれしいことに多数の動画が見つかりました。その中で私の探している「弾き方を教えてくれる動画」は20近くありました。一つ一つ精査してたどり着いたのは「初心者向け講座チェリー…」という40数分間の動画で模範演奏に始まり、詳しい解説と画面にはコード進行と右手でのストローク表と歌詞付きという至れり尽くせりの講座でした。

 いい「先生」は見つかりましたが、覚えていたはずのコードが全く押さえられません。「あ~あ、これが50年近いブランクなんだ」とため息をつきつつ、また1から覚え直しです。毎日20、30分程度練習しました、弦を押さえる指にはタコもできました。4月から始めて暑い夏が終わる頃、昔ジャガジャガやっていた頃よりうまくなっていると確信しました、教則本だけではやはりうまくなりません、ユーチューブの「先生」には映像と音声がついています、手の動き、指の動き、ピックの使い方を見ること聞くことで吸収する力は全然違います。

 50年前にユーチューブがあったら、私は今頃大物ミュージシャンになっていたかも知れません、そんなアホなことを考えながら楽しくやっています。習い始めた頃、「一緒にやらないか」と妻を誘いました、妻は私がうまくなったら教えてほしいと言っていました、でも今は知らん顔です。だれに聴いてもらおうかな、私のギター。

                (元編集制作センターデザイン課、増井 敬冶)