閑・感・観~寄稿コーナー~
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島で暮らす(3)車より人間、動物が優先される安全な町(元田 禎)

2020.02.16

閑・感・観~寄稿コーナー~

 広島県福山市内海町は田島と横島からなり、外周30キロの小さな町です。信号機は1基しかなく、それも普段は点滅信号だから、実質ゼロ。という訳で、とっても安全な町なのです。車のクラクションを鳴らす人は見たことがないし、最高時速は40キロで、車より人間、動物が優先されます。いいでしょう。
  動物も安心しているのか、先日の夕方、マルコ水産で仕事を終えて車で家に戻る途中、前方に黒い物体があるのに気付き、ゆっくり近付くと、それは猫でした。全く動こうとしません。仕方なく、よけて通りましたけれど。
  田島漁協の事務所に住んでいる黒猫君は、右の後ろ足がありません。僕は「ふらちなドライバーにはねられたのか」と思ったのですが、職員によると、漁網が絡み、切断たとのこと。う~ん、痛かっただろうなぁ。
  2月13日、漁協のガソリンスタンドで給油し、支払いのため事務所に寄りました。帰ろうとしてドアを開けると、ヒョコヒョコしながら道路を横断して来た黒猫君に出会いました。僕は頭をなでる。「こいつ、見たことある顔やなぁ」という表情かな。ドアを開けてあげると、「じゃあね」といった感じで、ドアの中に消えたのでした。
  再び車に乗って会社に戻る途中、別の猫君が道路を占拠しています。証拠写真を撮ろうとスマホを向けると、殺気を感じたのか、とっとと逃げてしまいました。うん、賢い。

(元広島支局、元田 禎)

漁協の黒猫君