閑・感・観~寄稿コーナー~
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健康法はミニサイクルで地方競馬へ(太田 正隆)

2019.07.26

閑・感・観~寄稿コーナー~

 私の健康法は地方競馬です。ミニサイクル自転車で大阪・豊中市から30分ほどで行ける隣の尼崎市・園田競馬場に出かけます。
 大阪空港沿いに千里川、続いて猪名川の堤を通ります。上空は伊丹への航空機の進入路。機体が白と赤のJALや青いANAが飛んでいます。新緑や桜の季節はきれい。水鳥がいて、時には、いたずらなカラスが私の帽子を突つきます。
 競馬場内のパドック(下見所)では外側を大きく周回する馬に注目。また、いつもスタート前に同僚と笑っているような騎手が、まじめな顔をしているときは、「やる気がある」とみて、馬券を買います。毎日、所轄の警察を巡回する記者が、捜査員の変化を見るのと同じ要領です。
 西宮市の阪神競馬場までは1時間。大阪空港の地下トンネルから新幹線沿いに武庫川に出ると到着です。こちらはJRA。私は、近くで見ることの出来る園田の地方競馬の方が推理が働き、自分に合っているのではないかと思っています。
 競馬の趣味は40年も前から。初任地の支局長が、週末の競馬が楽しみで、中古のホンダN3607を取材用に買った(半ば勧められてローンで買った)私に「佐賀競馬場まで乗せてくれんか」と頼んだのが始まり。「ビューティフルサンデー」の曲が競馬場に流れ、ストレスの多い平日から解放される時間でした。以来、転勤とともに訪ねた競馬場は計18場。
 ある時、その支局長の奥さんが「すみませんね、太田さん。主人が悪いことを教えて」と話しかけてきました。「いいえ」と言ったか「そうですね」と答えたか覚えていませんが、振り返って、競馬場の鉄骨の1本ぐらいは寄付したかもしれません。

 上半期の私のJRAの資金回収率は74%で地方競馬は80%。昔も今も課題は資金に限りがあることですが、なんとか健全財政を維持。債務残高をGNP比200%以上にし、インフレで「清算」しようという責任感のない日本政府に比べれば、私のほうがよほどギャンブル性が低いと思います。

(元愛読者センター、太田 正隆)
 
園田競馬場で