閑・感・観~寄稿コーナー~
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今年はかんきつ類の色付きが遅い(川上 展弘)

2019.11.27

閑・感・観~寄稿コーナー~

 実家(高知県須崎市)の畑に7年前、レモンの木を1本植えた。日当たりはよくない。

 初収穫は一昨年の3個。10個くらいできた2018年は、11月7日に黄色く熟れた2個を友人にあげた。2019年はほんのり色づいたのが20日すぎ。

 同じ年だったと思うが、愛媛県宇和島市の妻の実家の畑にも1本定植した。こちらのレモンの実はまだ青い。

 11月9日、山深い同県鬼北町のユズ栽培農家を訪れた。庭先に青いユズがいっぱい入ったカゴが置いてあった。農家の人は「いつもなら今月初めに霜が降りて色付きがよくなるのに、いまだ霜は降りない」と首をかしげた。青いユズは出荷先の農協が引き取ってくれないので、家庭で絞り、「ユズ酢」にして販売するそうだ。

 11月18日には懇意にしている宇和島市吉田町ミカン農家へ。ここでも「少し色付きが遅れている」と話していた。愛媛県のみかん研究所(同市吉田町)は「今年は少し着色が遅れている。かんきつ類全般にいえる。温暖化の影響ではないか」と推測する。

 海に近い宇和島市のわが家周辺は、ひと冬に数回は数センチの銀世界に見舞われるが、昨冬は一度も積雪がなかった。全国各地を毎年のように襲う豪雨など、気象異変を感じる。

 

まだ青いレモン(愛媛県宇和島市で)
ほんのり色付いて実家のレモン(高知県須崎市で)

(元松山支局宇和島通信部・川上 展弘)