2025.08.12
先輩後輩
『ふらっとアフリカ』を出しました。
28歳になる1989年4月、長野支局に新人記者として配属されたころをよく思い出します。住友金属鉱山の技師をしていた私は前の年の5月、「新聞記者になろう」という衝動に襲われ、辞表を出し、まともに読んだことのない新聞を熟読し、運良く受かりました。
配属され1年ほどが過ぎたころ、信州大で世界初の生体肝移植があり、科学部から派遣された瀬川至朗さんら先輩記者が、サラサラっと手書きで原稿用紙を埋めていくのを見て、「あんなふうになりたい」と痛感したのを覚えています。
それから35年、ずっと書いてきましたが、サラサラとはいきません。うまくなったのかも不明です。
7月末に出したエッセー『ふらっとアフリカ』の初稿を読んだ毎日出版の敏腕編集者、久保田章子(のりこ)さんから「藤原さんの原稿を読むとフワーッと癒される」と言われました。ラジオ体操の近所の人に売ったら、「何がいいかって、読んだあと、明るい気持ちになるのよ」「ありのまま書いていて、元気になる」と褒められうれしくなりました。
自分としては、読む人がともに旅している気分になれるよう心がけましたが、文章に何らかの副次効果が加わったのかもしれません。
ご一読いただければ嬉しいです。30代のころ、私のアフリカ行きを決定づけた上司、河内孝さんもチラっと出てきます。
(藤原 章生)
*来春まで毎日新聞オピニオン編集部キャリアスタッフ。
ホームページ:https://infofujiwara61.wixsite.com/akiofujiwara
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四半世紀前、特派員として足を踏み入れたアフリカの地。今回は、特派員の肩書きもミッションもない。「受け身」に徹して見えてきたものとは?
毎日新聞夕刊の人気連載「25年後のアフリカ」、待望の単行本化。(毎日新聞出版社のHP)
=東京毎友会のホームページから2025年8月5日
(トップページ→新刊紹介)
https://www.maiyukai.com/book/20250805