2024.03.25
先輩後輩
1962年入社の元写真部記者・江成常夫さん(87歳)の著作『記憶の光景・十人のヒロシマ』が論創社から3月1日に出版された(定価2400円+税)。
——1945(昭和20)年8月6日午前8時15分——米軍は史上初めての原子爆弾「リトルボーイ」を、広島上空で炸裂させた。熱線と爆風と猛火で街は壊滅し、死者はその年だけで約14万人にも及んだ。その悲しみの記憶は半世紀が過ぎた今でも、人々の心に深く刻まれたままである。
被爆者10人の被爆体験を聞き書き、写真を重ねた。この本は、1995年に新潮社から出版され、2005年小学館文庫になった。それが今回、論創ノンフィクション049として、シリーズ本に加えられた。
江成さんの出版物が論創ノンフィクションになったのは、007として『シャオハイの満洲』(2020年刊)、019として『花嫁のアメリカ』(2022年刊)についで3冊目。
江成さんは、74年に退職してフリーとなり、ニューヨークで米将兵と結婚して海を渡った「戦争花嫁」と出会った。78年カリフォルニアに彼女たちを尋ねた取材が『花嫁のアメリカ』(講談社、1981年刊)に結実して第6回木村伊兵衛賞、84年毎日グラフ連載の『百肖像』、『シャオハイの満洲』(集英社刊)で85年に第4回土門拳賞を受賞している。
(堤 哲)
=東京毎友会のホームページから2024年3月25日
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