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新刊紹介 江成常夫さんが『花嫁のアメリカ[完全版]』出版=東京毎友会のHPから

2022.05.06

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「花嫁のアメリカ」

 四六判654㌻。厚さが3.8㌢もある。

 江成さんが毎日新聞の写真部を辞めてアメリカに渡り、最初に取り組んだ「戦争花嫁」の取材。『花嫁のアメリカ』はアサヒカメラ1980年4月号から連載を始め、1981年に講談社から出版された。さらに20年後に再び女性らを訪ねて『花嫁のアメリカ 歳月の風景1978-1998』(集英社2000年刊)を出版した。

 『花嫁のアメリカ[完全版]』は、この2冊を合本したものだ。

 《私は新聞社を早く離れての半世紀近く、「アジア太平洋戦争」に仕事の文脈を決め、写真の道を歩いてきた。ここに収録した第一部の『花嫁のアメリカ』は、長年にわたる仕事のスタート台に当たる。それに重ね後編としての『花嫁のアメリカ―歳月の風景―』を、第二部として纏め復刻されたことをなによりの喜びとしている》

 江成さんは、あとがき「復刊に寄せて―「花嫁のアメリカ」二十年にまたがる対面」に、こう綴っている。

 江成さんは、木村伊兵衛賞と土門拳賞を獲得している。同書にある、著者略歴——。

 江成常夫(えなり・つねお)1936年神奈川県相模原市生まれ。写真家・九州産業大学名誉教授。1962年毎日新聞社入社。64年の東京オリンピック、71年の沖縄返還協定調印などの取材に携わる。74年に退職し、フリーに。同年渡米。ニューヨーク滞在中に、米将兵と結婚して海を渡った「戦争花嫁」と出会い、78年カリフォルニアに彼女たちをたずねて撮影取材。以後、アジア太平洋戦争のもとで翻弄され、声を持たない人たちの声を写真で代弁し、日本人の現代史認識を問い続ける。また、写真と文章を拮抗させた「フォトノンフィクション」を確立する。写真集に『百肖像』(毎日新聞社、1984年・土門拳賞)、『まぼろし国・満洲』(新潮社、1995年、毎日芸術賞)、『花嫁のアメリカ 歳月の風景』(集英社、2000年)、『ヒロシマ万象』(新潮社、20002年)、『鬼哭の島』(朝日新聞出版、2011年)、『被爆 ヒロシマ・ナガサキ いのちの証』(小学館、2019年)など。著書に『花嫁のアメリカ』(講談社、1981年、木村伊兵衛賞)、『シャオハイの満洲』(集英社、1984年、土門拳賞)、『記憶の光景・十人のヒロシマ』(新潮社、1995年)、『レンズに映った昭和』(集英社新書、2005年)など。写真展に『昭和史の風景』(東京都写真美術館、2000年)、『昭和史のかたち』(同、2011年)、他にニコンサロン特別展など多数。

                            (堤  哲)

 『花嫁のアメリカ[完全版]』は論創社刊、定価3600円+税。ISBN:978-4-8460-2098-9

=東京毎友会のホームページから2022年4月25日

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https://www.maiyukai.com/book#20220425