2021.12.05
先輩後輩
2021年8月9日、82歳で亡くなった元社会部遊軍長で「ペンの森」を創設した瀬下恵介さんを追悼する「瀬下塾ジャーナル」Vol.56(第14巻4号)が発行され、新聞やテレビなどジャーナリズムの世界に約500人を送り込んだ瀬下さんを偲ぶ80人余の追悼の言葉が捧げられている。
追悼号は、瀬下さんの仕事を引き継いで塾頭を勤める岩田一平さん(朝日新聞出身)が編集・発行を担当し、1995年から2002年の「1~8期」、2003年から2010年の「9~16期」、2011年以降の「17期~」と、草創期の「~0期」に分けて、卒業生のメッセージが掲載されている。神保町に1995年、「ペンの森」を創設、80歳になった2018年に塾頭を退いた経歴も掲載されている。
追悼号の冒頭で、元サンデー毎日編集長、鳥越俊太郎さんが「瀬下恵介 この類稀な幸せな男」と題して、「瀬下恵介は書くことが好きだった。書くことに人生の全てを燃やし尽くした、この上なき幸せな男だったんだなぁ」と社会部での仕事ぶりを偲んでいる。
「瀬下さんより5~6歳下で経済部に所属していた」と振り返るジャーナリスト、嶌信彦さんは「人を包み込んだ〝瀬下笑顔〟」というタイトルで、「ちょっと文章に気の利いた語句をはさんでくれただけで、原稿が生き生きとしたような気がして、そのまま納得した」と一緒に仕事をした思い出を記している。
「ペンの森」を経て毎日新聞社に入社した卒業生のうち、追悼文を寄せたのは、社長室委員、中村由紀人さん、元毎日新聞・TBS記者、神田和則さん、カスタマーリレーション本部、石原聖さん、ブリュッセル支局、岩佐淳士さん、写真部、小出洋平さん、記者、田村彰子さん、事業本部、杉本修作さん、一般社団法人カイロス代表理事(元毎日新聞記者)、西田真季子さん、毎日新聞記者、田中裕之さん(共同通信社、田中明子さんと連名)、毎日新聞社カスタマーリレーション本部、中本慎二さん、毎日新聞東京本社外信部、金寿英さん、毎日新聞、高良駿輔さん(掲載順。肩書は本人の記載による)。
機関紙などの挿絵を担当してきたイラストレーター、中里まっちさんは、ロッキード事件の1976年、毎日新聞首都圏版で連載が始まった「大学漫研対抗まんが甲子園」を瀬下さんが担当していた縁で、「ペンの森」を手伝うようになったという。「新宿・職安通りに原点を見た」と西支局の当時を綴っている。
巻末で、夫人の安子さんが〝なれそめ〟を告白している。それによると、安子さんが立教大学社会学部1年生だった頃、その年に立教大学から毎日新聞に入ったという、趣味は〝ドン行〟という黒シャツの男性がいて、ある日、大学に顔を出し、研究室でアルバイトをしていた安子さんの仕事を手伝ったのが運命の出会いだったとのこと。長女徳田美奈さん、次女瀬下文さんも、団地での4人家族の生活や晩年、父親の病気と付き合った日々を報告している。
(高尾 義彦)
=東京毎友会のホームページから2021年11月25日
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