先輩後輩
SALON

パレスサイドビル、55年たっても存在感を増す傑作―NHK-BSで11月13日放映(原 敏郎)=東京毎友会のHPから

2021.10.14

先輩後輩

 パレスサイドビルが2021年10月、開館55周年を迎えた。オフィスビルとして唯一「モダニズム(近代主義)建築20選」に選ばれるなど、「モダニズム建築の傑作」としての評価は定まっているが、歳月を重ねるにつれて評価が一段と高まっているのを実感している。古くて新しいビル。決してレトロではないことは、周囲に新しいビルが建っても、その意匠の斬新さがまったく色褪せないのを見てもわかる。ますます存在感を増していくこのビルの近況を報告したい。

 社長に就任した2017年6月、まず驚いたのはパレスサイドビルに対する取材の多さである。雑誌や書籍を中心に、テレビ、ラジオなど、メディアでの露出は3年間で20件を超えた。そしてそれに付いた「見出し」はというと、以下の通りである。

 「クイーン・オブ・ビル」「日本一美しいビル」「日本のオフィスビルの至宝」「戦後建築で5本の指に入る傑作」「(世界に)自信を持って送り出せる日本代表がこのビル」……。

 ビル関係者としては面映ゆくもあるが、日本を代表する建築家の安藤忠雄さんは2018年2月、竹橋に立ち寄った際に「今でも全く色褪せない魅力を持った近代建築の名作中の名作だと、改めて実感した」というコメントとともに、外観のスケッチを新聞社に寄せた。また同じ建築家・隈研吾さんも2017年の新聞インタビューで、幼いころに父親に連れられて多くの建物を見たことが建築家を志すきっかけになったと振り返り「中でも毎日新聞社が入っているパレスサイドビルは印象的だった。『オフィスビルなのに、こんなにかっこいいんだ』と感動した。今見てもかっこいい」と答えている。

 建築の専門家以外でも、足を運んでいただいた著名人は多い。人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔さんは月刊誌の連載コラムで訪れ、玄関などで撮った写真が紙面を飾った。写真界の巨匠、篠山紀信さんはビルの館内や屋上を会場にして、高級ブランドを身にまとったモデルを激写。これを月刊誌に22ページにわたり発表し、ビルの魅力を伝えてくれた。「ビルのどの場所も洗練され、しかも個性がある。写真家として『オイシイ!』という感じだよ」とは、篠山さんのコメントである。

 東工大、東京理科大、早大、日本大、日本建築学会などの大学・団体のビル見学も引きも切らない。ビルを設計した日建設計の林昌二さんの母校・東工大からは毎年春、約150人もの新入生が訪れるため、受け入れるビル社員は1日がかりの大仕事になる。屋上などを使った映画やテレビドラマ、CMの撮影なども多く、テレビを観ていて「あっ、パレスサイドだ!」と気づくことも多い。

 林昌二さんはパレスサイドビルを「100年ビル」というコンセプトでデザインした。それは外観だけでなく内部の構造からも窺うことができる。55年はまだ半ばである。「100年間このままで」と切望する熱狂的なパレスサイドファンもいる。そんな声が伝わったのか、近くテレビ番組に「出演」することになった。NHK‐BSプレミアムが11月13日(土)午後10時から放映する「すこぶるアガるビル」(90分間)という特別番組。大学で建築を学んだお笑い芸人の田中卓志さん(アンガールズ)と、建物好きの俳優、青木崇高さんが専門家とともに都内のモダニズム建築を巡り、その魅力を伝える。パレスサイドビルは冒頭の約30分間登場し、建設・設計にかかわる裏話などが紹介される。ぜひご視聴をお願いしたい。

 パレスサイドビルは先輩方が支えてきた毎日新聞社のシンボルである。ビルとしての機能性・快適性の向上を追求し、誰もが認める高い意匠性を大切に守っていくことが私たちの使命であり責務であると、開館55年を迎え改めて肝に銘じている。

              (株式会社毎日ビルディング  代表取締役社長 原 敏郎)

◆◆NHK-BSの特別番組がパレスサイドビルを紹介します!◆

 NHKプレミアム 『すこぶるアガるビル』
 放映日時:11月13日(土)22時~23時30

 --大学で建築を学んだ田中卓志さん(アンガールズ)と、建物への関心が高い俳優の青木崇高さんが異色のタッグを組んだ紀行番組。東京オリンピックを境に、日本の街が大きな変貌を遂げる今だからこそ、20世紀に新しい都市と生活を創造したモダニズム建築の魅力を伝えます。

 

=東京毎友会のホームページから2021年10月6日

(トップページ→トピックス)

https://www.maiyukai.com/topics#20211006