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新刊紹介「検察官になるには」――元司法記者、飯島一孝さんが出版(東京毎友会のHPから)

2020.05.05

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「検察官になるには」

 息子さんや娘さん、あるいはお孫さんにお勧めしたい一冊が、出版された。

 現役の検事たちのインタビューを導入部に、最高検察庁から高検、地検、そして区検察庁まで、検察官や検察事務官がどんな仕事をしているか、分かりやすく解説し、いかついイメージの世界への入門編となっている。「司法」に興味を持っている人や、進路に迷っている若者にとって、一読する価値がある。ぺりかん社の「なるにはBooks」シリーズとして出版された(本体1500円+税)。

 「正義の心で捜査する!」「検察官の世界」などの章に分かれ、検察の歴史をはじめ、最近ではデジタル技術を駆使した捜査が重要になっていることや、裁判員裁判が10年前に導入されて、捜査手法や公判での立証方法に変化が生じていることなど、「進化する検察」の素顔も、現場の生の声で報告されている。昔に比べて女性の進出も目立ち、検察官の総数に占める割合は2018年3月末で24.6%、482人になり、地検検事正50人のうち女性は6人を数える(2018年9月)。

 飯島さんと言えば、モスクワ特派員としての仕事が印象に残り、退社後もその分野を専門として大学に籍を置いてきたが、それ以前に、社会部司法記者クラブに所属していた時代がある。「1年以上かかって取材、執筆しました。司法記者の経験が役にたったようです」と振り返る。

 政治の世界では、東京高検検事長の定年延長など安倍政権の恣意的な法律解釈で、検察の中立性に疑問が投げかけられている。飯島さんの著書に登場する検事たちは社会正義の実現を目指し、独立して真実解明に全力をあげる心意気にあふれる。健全な検察を取り戻すためにも、編集に最高検察庁も協力しているこの一冊を役立ててほしい。

(高尾 義彦)=東京毎友会のホームページから(2020年4月23日)

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