2019.12.30
先輩後輩
「新芸術家協会」という名前を記憶しているクラシックファンは今、どのくらいいるだろうか。通称「新芸」は、昭和のクラシック業界で一時期頂点に君臨していた音楽事務所である。1955(昭和30)年に西岡芳和が創設、60年代にかけて急成長し、70年代には他の音楽事務所より「頭一つ」抜きんでた存在として、国内外の一流アーティストの招へい、マネジメントを手がけていた。
これは2016年10月に毎日新聞WEB版「クラシックナビ」で始まった連載《「新芸」とその時代》の書き出しである。以来2週に1回掲載で、丸3年分に加筆して出版された。
筆者野宮珠里さんは、異色の学芸部記者だ。国立音大声楽科卒。教員、画廊勤務などを経て1990年入社。事業本部で日本音楽コンクールなどを担当、自ら企画・プロデュースした奈良・薬師寺の仏教儀礼「最勝会」の舞台上演は2003年度文化庁芸術祭賞大賞(音楽部門)を受賞している。その後記者として青森支局、京都支局を経て学芸記者となった。
「新芸」創設者の西岡芳和(1922~2013年)に生前何回か会っていて、その時の取材メモから関係者を尋ね、「新芸」の活動の軌跡とクラシックが「熱かった」時代を振り返る。
(人文書院刊、定価3300円=税込)
(堤 哲)=東京毎友会のホームページから2020年1月3日
https://maiyukai.com/info.html#shinkan(東京毎友会→お知らせ→新刊紹介)
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