2019.07.30
先輩後輩
本書は、その「沖縄戦新聞」の「意味と意義」を柱に据えて、「琉球新報」「沖縄タイムス」に掲載された沖縄戦関連記事をすべて精査し、戦後沖縄の新聞ジャーナリズムと沖縄戦報道を丹念に分析することによって、記者たちの沖縄戦継承の足跡を立体的に詳記した渾身(こんしん)の一冊である。
毎日新聞大阪本社の編集局長を務めた著者は、定年後、居を沖縄に移し県内の大学院で本書の基になる論文を書き上げた。同じジャーナリストとして、実直なまでに沖縄の記者たちに学ぼうとする著者の心象は行間に深く刻まれ、さらに「継承の『かたち』」と題して記述された、ひめゆり平和祈念資料館の若い説明員たちへのインタビューを通して、沖縄戦継承の展望へとつなげている。
――以上は、「琉球新聞」に掲載された沖縄女性史家の宮城晴美さんの書評の一部である。
「沖縄戦新聞」は、琉球新報が戦後60年企画で、2004年7月から05年9月まで別刷りとして14回発行した。
筆者は、1950年岡山県生まれ。74年毎日新聞入社。大阪本社社会部長、同本社編集局長、スポーツニッポン常務取締役などを経て2016年、妻の古里沖縄に移住、沖縄大学大学院入学(現代沖縄研究科沖縄・東アジア地域専攻)。琉球新報客員編集委員。
琉球新報社・2500円(税込み)
(堤 哲)2019年4月16日
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