2019.06.11
先輩後輩
「 1990年入社の豊岡支局長、村瀬達男です。大阪社会部時代の大先輩である梶川伸さんのご依頼で寄稿させていただきます。
私は社会部の動物園記者クラブにいた1995年1月17日付朝刊で、社会面アタマで「野鳥のゴイサギがペンギンのエサを横取り--大阪市天王寺動物園」を執筆しました。「動物は文句、言ってこうへんから」と、ある事、無い事、書きまくった古き良き時代でした。しかし、この日未明、阪神大震災が起きたため、誰も記事を見ていない「幻の特ダネ」となりました。
この悔しさを晴らすように、事あるごとに動物ネタを狙ってきました。そのチャンスが名張、高知に続いて、3カ所目の支局長として今年5月に赴任した豊岡支局で巡ってきました。管内の香美町にあるJR余部鉄橋を架け直した余部橋りょうの展望施設「空の駅」の駅長にカメの女の子「そらちゃん」が昨年就任したこを知ったのです。
そこで、6月3日付の兵庫ブロック面で紹介しました。しかも、「私はケヅメリクガメの4歳の女の子、そらちゃんです」との書き出しで、1人称のスタイルです。しかし、編集幹部から、おしかりはなく、読者の苦情もありませんでした。
現在の毎日新聞は紙の新聞より、デジタル記事の配信の速さを重視する「ウエブファースト」の時代になっています。6月3日付の「そらちゃん」の記事も紙面に載る前の2日夕方に、閲覧回数「ページビュー」を稼ぐため、配信しました。
全本社的な部数激減で、兵庫県内4支局も記者が減らされ、日本海側の豊岡支局は昨春から兵隊がいなくなり、支局長1人です。景気の悪い話ばかりですが、時代は変わっても、「そらちゃん」のような遊んだ原稿が通ってしまう気風は残っています。
先輩方、ご心配なく。毎日新聞は自由です!(村瀬 達男)
最近の投稿
2024.10.27
元外信部、経済部の嶌信彦さんが『私のジャーナリスト人生 記者60年、世界と日本の現場をえぐる』を刊行=東京毎友会のHPから
2024.09.18
新刊紹介 71入社、元長野支局員で元村長・伊藤博文さんが『あの世適齢期』を刊行=東京毎友会のHPから
2024.09.09
新刊紹介 95歳、元気でコラム執筆の元エコノミスト編集長、碓井彊さんが「日本経済点描 続々編」刊行≒東京毎友会のHPから
2024.08.22
新刊紹介 『未来への遺言 いま戦争を語らなきゃいけない』を前田浩智主筆、砂間裕之取締役が共著で=「日本記者クラブ会報」マイBOOK、マイPR転載(東京毎友会のHPから)