2025.02.12
閑・感・観~寄稿コーナー~
新聞をはじめ紙媒体の中で、もっとも身近で読者数が多いのは各自治体が発行している 広報紙ではないでしょうか。毎日新聞・大阪事業本部と毎日文化センターは、近畿(石川県含む)の自治体を対象に近畿市町村広報紙セミナー・コ ンクールを実施、2024年度に第36回を迎えました。
今回は、2024年7月に実施した広報紙セミナー(2日間、8講座)参加の団体から75団体がコンクールに応募しました。神戸市など大都市から大阪府熊取町など規模の小さな町、市議会、上下水道局などの広報紙で、予算、担当者数 、形態(冊子かタブロイドか、ページ数、カラーかモノクロ かなど)も全く違いますが、紙媒体の衰退がささやかれる中、読者に何とか読んでもら おうという情熱と工夫が、どの広報紙からも感じられます。
梶川伸・元毎日新聞論説委員を審査員長に、渡辺悟・坂田記念ジャーナリズム財団事務局長、林知生・毎日新聞元編集次長の3人で審査。最優秀賞は、京都府福知山市の「能登半島地震に学ぶ」を特集した「広報ふくちやま9月号」 に決まりました。現地ルポ、福知山市の三峠断層の脅威と被害想定、防災対策と地震時の心得など、能登の体験と豊富な情報が評価されました。場所を取らず、手元に置いていざというときに読み返すことが できるという紙の強みを改めて認識した特集でもありました。
入賞団体は、1月から毎日新聞の各地域面で紹介されました。広報手段の多様化から 各自治体の広報担当も試行錯誤が続いているようですが、広報担当者の疑問に応え情報交換の場として広報紙セミナー・コンクールが少しでも役に 立てばと思っています。
(元編集制作センター・毎日文化センター職員、岡田 満里子)
※岡田さんは近畿市町村広報紙コ ンクールの担当者です。