閑・感・観~寄稿コーナー~
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1泊2日の田舎暮らしと自然農、そしてウクレレ製作(小林 正彦)

2025.02.14

閑・感・観~寄稿コーナー~

 毎月1回、普段空けている妻の実家に帰省します。実家の庭には小さな畑があるのですが、長年放ったらかしの状態でした。かつてこの畑には沢山の実をつけるキーウイの木があり、雑草だらけのこの畑に再びキーウイを育てようと、8年ほど前から何度もキーウイの苗を植えています。しかし、月1回の帰省でほとんど世話が出来ないせいか、実を付けるようになる前に枯れてしまいます。

 もうキーウイは諦めようと思っていたのですが、Kindle(電子図書)でたまたま「完全版 川口由一・自然農」という本を読んでみて気が変わりました。それには、「耕さない」、「農薬、肥料を持ち込まない」、「草や虫を敵にしない」、「自然にまかせておけば生命たちの力で土は必ずやわらかくなる」ということが書かれていました。これなら月1回の帰省だけでも出来るのではないかと思い、1度自然農で野菜を育ててみて、それからキーウイに再挑戦しようと思いました。

  自然農実践1年の私が説明するのはおこがましいのですが、簡単に自然農を紹介させていただきます。

 自然農は奈良県桜井市の川口由一さんが創始した農法で、「耕さない」、「農薬、肥料を持ち込まない」、「草や虫を敵にしない」を実践しています。一般的な農業では栽培が終わると畝を壊しその都度畝を作り直しますが、自然農ではいったん畝を立てたら壊さず修復しながら使い続けます。その畝は少し大きなかまぼこ型で、中央に水が溜まらず、畝全体が温まりやすい形状です。湿り気の多い場所では畝を高めに作り、畝幅は狭く、溝幅は広くして水はけをよくします。乾燥地の場合は低めの畝にします。刈った草は土にすき込まず、畝の上に振りまき土を裸にしません。刈った草を畑に敷いておくと、朽ちて養分となり、夏は作物を乾燥から守ります。

 農薬を使用しないことはもちろん、化学肥料や有機肥料も持ち込ません。地力が弱そうなところには米ぬかやフスマ、菜種の油かすを作物の近くや少し離れたところ、作付けしていない草の茂っているところにまきます。絶対に土中に埋めません。農薬で虫を一掃しようとすると生態系を崩してしまいます。自然にまかせておけばその時期、その場所にふさわしい草がはえ、やがて土をバランスよく豊かにしてくれます。

 2024年、この本を参考にして1.5m×2mの畝を2つつくりました。4月に一方の畝に枝豆の種をまき、もう一方にジャガイを植えました。枝豆は大量発生したカメムシのためにほぼ全滅でしたが、ジャガイモの方は同じようにカメムシの被害にあっていたのですが、掘ってみると小さなジャガイモが多かったのですがバケツ1杯ほど収穫できました。

12月初旬、ドローンで空撮。左の青々と茂っている野菜は、隣の兼業農家の方が普通の農法で育ててくれている大根、水菜、白菜です。年ごとに野菜の種類が増えてきました。右の畝は、自然農でネギ、ニンニクを植えています。中央下にフェイジョアの木があります。パイプでキーウイの棚を作っています。

 ジャガイモを収穫したあとには1列だけネギを植えました。ネギは順調に育ち、切って収穫したものには再び新しい葉が出ています。春になったら、この畝にはまたジャガイモを植える予定です。

ジャガイモを収穫した後に1列だけネギを植えてみました。土の中に残ったジャガイモが芽を出し少し大きくなっています。

 7月に枝豆の畝にニンジンの種をまきましたが、翌月になっても芽が出ていませんでした。土の鎮圧がたらずに種が流されたのかもしれません。10月にこの畝にはニンニクを植えました。今のところ順調に育っているので、今年の6月初旬には収穫出来ると思います。

フェイジョアの木です。
フェイジョアの実がバケツ2杯半取れました。摘果していないので小さな実も多かったですが美味でした。

 庭の畑の半分に隣の兼業農家の方が普通の農法で野菜を育ててくれているのですが、自然農で同じような野菜が育つようになったら、こちらも自然農で野菜を作ってみたいと思います。

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 会社をリタイアしてから、ウクレレの製作、販売をしています。田舎の納屋にバンドソーやドラムサンダーなどの木工機械が置いてあり、帰省した際に材料の木を製材して自宅に持って帰り、自宅でウクレレを製作します。

 

 

 (上のウクレレの写真) 向かって左は、1昨年に孫が生まれた時、いつか弾けるようになって欲しいと思い製作しました。クルミ材を使っています。真ん中のソプラノウクレレはホンジュラスマホガニー、向かって右はマンゴー材を使っています。

 (下のウクレレ写真)カッタウェイ、変形サウンドホール、6弦など、少し変わったウクレレも製作しています。

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 冬の帰省は薪ストーブが楽しみです。お風呂や釜戸に使っていた薪がたくさん残っているので、それを使うために薪ストーブを設置しました。北欧産の薪ストーブほどの重量はありませんが、それでも妻と2人で必死に運んで設置しました。炎を見ながら、チビチビとお酒を飲んでいます

 

 裏山の孟宗竹が倒れて母屋の屋根にかかっていて、それを退けるのに半日かかったり、薪小屋が崩れ、梁が大きすぎてその片付けに何年もかかったりとか、色々大変なことが起こりますが、自然農での野菜づくりも増え1泊2日の田舎暮らしを楽しんでいます。

                     (元工程グループ、小林 正彦)