閑・感・観~寄稿コーナー~
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自家製味噌作りに挑戦(辻 哲郎)

2023.06.13

閑・感・観~寄稿コーナー~

 思うところあって自家製味噌に挑戦しています。2018年に名古屋に単身赴任した際に、弁当と夕飯用にぬか漬け、ザワークラウト作りを始めたのがきっかけで、食材を手作りをするようになりました。その後名古屋から戻り、年金生活フリー身分になりましたので、家人の冷ややかな視線を感じつつも、チョコレート、梅干し、ベーコン、パンチェッタと手を広げ、今回はついに念願の味噌作りに挑戦しました。

 最近はネット検索すれば色々手法が分かるので助かりますが、逆に情報が多すぎて材料の分量含めて色々あり過ぎて、どれを選べば良いのか迷うばかりで悩ましい限りです。

 本当は2023年2月に着手する予定でしたが、調べているうちに時間が過ぎてしまい、3月になってやっと材料が揃ってスタートすることができました。大豆1kg、乾燥米麹1.2kg、塩400gで出来上り量4kgとしました。

 大豆を24時間水につけ、十分膨らんで豆の大きさが戻れば3時間かけて弱火で煮豆にしします。米麹と塩は、混ぜながらこすり合わせる「塩切り」をしておきます。軽く指で潰れるくらい柔らかく煮た豆は、すり潰してペースト状に加工し、すこし冷ましてから塩切りを行った麹・塩、煮豆のゆで汁(約200cc)などと良く混ぜ合わせて「味噌種」とします。味噌(漬物用)バケツに食品用ビニール袋を入れ、ここに味噌種を空気を含まないように全量投げ込み、空気抜きを念入りに行ったら、袋を閉じて蓋をして長い発酵期間に入ります。

 私はカビの発生を防ぐため、閉じた袋と蓋の間にワサビを挟んだラップを入れました。この材料比率の場合、夏で3ヶ月、冬なら5ヶ月の発酵熟成期間が必要らしく、6月に3ヶ月目を迎えたので発酵中の味噌種を上下混ぜる「返し」作業を行いました。煮豆のすり潰しが少し甘かったようで、見た目は「田舎味噌」でした。しかし、カビの発生も無く味も味噌っぽくなっていましたので、時々「つまみ食い」しつつ、9月まで熟成させる予定です。

 色々な情報源に特記していましたが、煮豆は徹底的にペースト状にしておいたほうが、味のバラつきの少ない「キチンとした」味噌になるようです。次回は気をつけたいと思います。

 熟成前ではありますが、とりあえず数回分の味噌をとりわけて(写真)、数日は味噌汁にして楽しむ(?)ことにしています。

 8月以降は分けて冷蔵庫で保管・使用しますが、夫婦2人暮らしですから結構長く使えると思います。次の仕込みを12月頃にと考えていますが、自家製味噌の味次第では「終了宣告」が家人から出る可能性もあり、今しばらくは黙っておこうかなと…。

 秋口になれば秋山のシーズンになりますので、自家製味噌を使った「焼き味噌おにぎり」を持参して北アに行きたいです。テントの前で自家焙煎のコーヒーを飲みながら、焼き味噌おにぎりを頬張って穂高連峰の表(東面)や裏(西面)を眺める…と妄想するばかりの毎日です。

                     (元制作技術局・辻 哲郎)