閑・感・観~寄稿コーナー~
SALON

グラウンド・ゴルフの協会長を務め、ペタンクも楽しむ(大前 益男)

2022.11.12

閑・感・観~寄稿コーナー~

 毎友会梶川委員より突然の私信。私がOB会への近況で「元気の源」について書いた内容をもっと詳しくとのお達し。早速、筆を執ることになった。実は私は若い時から球技に関心があり、野球、卓球、バレーボールなどたしなむ事により、スポーツは心身の解放にとても有効なものだと感じていた。

 退職後もアルバイトを一切せず、硬式テニスに打ち興じていた。しかし、年齢を経るといことの現実を思い知らされた事故があった。テニスプレー中に思わぬ躓きを起こし、足の親指が90°折れ曲がり、神経系に異常をきたし、20数年を経てやっと痺れがとれたという現実におののき、もっと高齢者向きスポーツでないとまずいのではと考えた。

 天理市というのはスポーツの街として有名で、オリンピック金メダリストに日常、道路であるいはスーパーで買い物の途中に幾人も目にすることができる。知り合いの天理大学職員を通じてメダリストと昵懇の間柄をあたためたこともある。

 そんな背景もあってか、行政は市民に体育を推奨すべく、ニュースポーツを推進する委員を通じて指導する制度もこしらえた。スポーツによる健康増進、ひいては健保財政の改善などの思惑もあり、私が夢中になっているグラウンド・ゴルフ(以下G・G)もその一環であります。学術的な見地からも次のことが証明されています。

・移動機能の低下を表すロコモ度の観点から、移動機能が維持されている

・転倒予防に必要な「歩幅」が維持されている(一日当たりの歩数や身体活動量が増加し、下肢筋力が保たれている)

・心と体の不安感が少ない(人と接することにより心身の好結果が生まれる)

 いまさらG・Gって何?という人はいないと高を括っていたら、興味のない人にとっては全く無関心。この読者さんにもそんな人がおられるかと思い、簡単に説明します。G・Gは昭和57年に、文部省の生涯スポーツ推進事業を受けた鳥取県泊(とまり)村関係者と事業の研究開発に協力した大学教員たちで創り出された。直径6センチ米のプラスチックのボールを専用にクラブでスイングして打ち、15米、25米、30米、50米のホールポストに納める競技で、そこにたどり着くまでの打数が少ない方が勝ちなのは正規ゴルフのパターと同じである。官民あげての誘致により、泊村で口火を切ったのがG・G発祥の地と命名され、ホールインワン以上の2トマリ、3トマリと呼称が認められている。

 一方、ペタンクは700~800グラムの鉄球を、先に投げた6米から10米以内の目標球をめがけ、最接近し者が勝ちとなる。この競技は南フランスの発祥で、世界大会も開催されている。

 雨上がりの地面と乾燥しきった地面ではおのずから転がりが違い、戦法も上からドスンと落とすか、転がし一辺倒でいくか腕の見せ所。名人クラスになると、折角赤玉に近づけた相手ボールにわざとぶつけて跳ね飛ばし、自球を入れ換えるという技量を発揮し、そのコントロールに目を見張るものがある。一人2球の持ち球をいくら近づけても安心は出来ない。神経を使う競技である。

 この2つの競技を週三回練習し、毎月校区の月例会、市民大会、長寿会大会、ライオンズやJA主催の大会、地区により親睦大会や他市町村との交流試合、県大会、全国大会と目白押し。北海道から沖縄までが開催候補地である。成績を上げれば出場できるが、派遣費は場合により雀の涙。各自持ち出しは10万円を超える。

 私は2022年の4月より天理市のG・G協会長を仰せつかった為、その運営責任がのしかかり、私的な時間も相当割かれる現状です。急速な高齢化とともに会員は三百人を下回りましたが、いっとき六百人を超した時代もありました。会員の最年長は94歳で、90代の人は10名くらいおられるのではないでしょうか、

 G・Gの特徴はどこでも誰でもいつでも出来るというキャッチフレーズの如く、自由自在です。いまは市の公園や学校グラウンドを開放してくれていますので、場所の確保は難しくありませんし、立派な民間施設が各地にあります。そして90代の人がホールインワンしたり、時として上位入賞をされており、農閑期には気楽にプレーを楽しんでおられます。なにしろ面白い。目論見が達成された時の爽快感、充実感に時を忘れます。

 しかし、最近の高齢化スピードはすさまじく、会場までのアシが大きな課題になっており、経験のない先のことに我々もハラハラと眺めている次第。相乗りやチャーターを推進するしかないと危惧するばかりですが、一方ではバスツアーによる県外研修で他県でのプレーと夜の宴会が、何といっても盛り上がります。ここ三年間コロナで実施できず、早く実行に移してくれとのプレッシャーを感じる毎日です。

                        (元印刷管理部・大前 益男)