2022.03.16
閑・感・観~寄稿コーナー~
姫路市市民会館は昭和51年に開館。地上7階、地下1階建で屋上からは姫路城すぐ近くに見えます。800席のホールと貸室があり、教養講座(華道、着物着付け、気功体操、編物・手芸、華道、和裁、茶道、囲碁、コーラス、書道、中国語教室、韓国語や型染等)を開催されています。運営は現在、一般社団法人姫路市まちづくり振興機構があたられている。
また当館内に青少年センターとボランティアサポートセンターが併設されています。青少年センターはコミュニケーションルーム、音楽創作ルーム、創作活動ルームを運営されています。コミュニケーションルームはコロナ下でコミュニケーションが出来なく、学生の自習室となっています。
新型コロナの影響でホールでの大人数での催し物や大声を出す催し物が難しいため、講演会や器楽演奏(保育園の合奏会、高校生の軽音楽、ダンス発表会)、通信制高校の卒業式等が中心となっています。2月27日開催予定であった世界遺産姫路城マラソン2022もオミクロンの拡大で中止となり、当日全館貸し切りでしたがキャンセルとなりました。姫路城に近いこともあり、薪能や観月会の雨天時の会場としても利用されます。
設備管理は光栄産業㈱が受託しており、光栄産業のアルバイト8名がローテーションで対応しています。私もその1人です。勤務は早出(8時~17時)、中間(10時~17時半)、遅出(13時~20時)の3交代制で、ホール、教養講座が20時までに終了しますので夜勤はありません。月10~12日の出勤です。全員65才以上のシニアです。
日常業務は電気、ガス、水道の日々の使用量調査。一時間毎の電気使用量とデマンド調査(設備が古く自動計測システムがないため人海戦術です)、貸室の空調管理及びホール使用時の空調管理(夏季は冷房機の運転、冬季はボイラー運転)、これも1時間毎に給気温度・換気温度、湿度、使用電力の記録。照明器具の管理(蛍光灯交換、器具不良時の取替)、非常照明機器のバッテリー点検、消火設備点検、空調フィルタの交換・清掃・洗浄、ガスコンロ点検、消火器点検、停電に備え非常用発電機のテスト運転・データ記録、ホールの座席調整等多岐に渡っており、便利屋さんです。
設備が古くガラスのひび割れ、ドアの軋み、コンクリートの剥離等あちこちみうけられますが、本格的な補修を行う計画はなく、まちづくり振興機構も余り予算を持たれていないので、本格的な故障以外は応急処置で急場をしのいでいるのが現状です。新聞社で身に着けた知識・技術がまだまだ役立っています。
コロナの感染防止でホール運用終了後、清掃係の人達が全座席や手すりの清掃を行っており、その時に不具合の座席があれば知らせてくれますが、最近はあまり知らせがないので運用されていない日にチェックし跳ねあがりの悪い座席や異音のある部分塔の調整をしています。
設備管理に必要な資格者は電気主任技術者(三種以上)と危険物取扱者(乙4種)です。ボイラーは温水ボイラーに置き換えられボイラー管理者は不要となりました。
光栄産業は当会館以外にも姫路市美術館や文化センター等の設備、警備、水門やプールの保安管理も姫路市から受託されています。
昨年秋に姫路駅近くにアクリエ姫路(コンベンションセンター)がオープンし、旧施設は順次再開発の対象です。文化センターは1月に閉館予定でしたが、コロナの3回目接種会場となり、8月まで延命となりました。新し設備は使用料金が高いため、利用料金の安価な当会館は当分続きそうですが、いずれ閉館となるでしょう。それまで設備を労わっていきたいと思っています。
(元制作技術部統括管理部・宮本 利秋)