2021.09.24
閑・感・観~寄稿コーナー~
私は平成31年(令和1年)1月26日から西宮市の明和病院に入院、2月19日に頭部膵臓癌手術をしました。色々な重要な血管が走り、多くの臓器の集結している場所なので80歳以上の方の手術はやったことが在りません。よく考えて下さいと外科部長に言われました。しかし、平成30年の7月に多臓器癌により他界していた妻の化学療法が後遺症で如何に苦しいものかを見せられていた私は、即座にどうぞ手術をして下さいとお願いをしました。
その結果、手術前のリハビリが手術に堪えるために必要だと言われて、毎日体力作りのリハビリを受けることになりました。8時間もの手術に堪えるためには此のリハビリが本当に役立ったことが、後でよく分かりました。幸い患部を可能な限り全摘出して下さり、集中治療室を出た翌日から看護師に手を引かれてウオーキングの練習を勧められ、苦痛ながらも院内を歩いた。
体重は入院前の69キログラムから約30キロ痩せて40キロに。自分の体を見て自分自身が驚くほどでした。4月6日に退院後も最初の数日間くらいはお粥を食べましたが、自分で作る簡単なご飯でも大変美味しくいただけ、信じられないくらい早く体重も回復して参りました。今度は、太りすぎに注意して精々50キログラムぐらいで押さえたいと思いました。
そこで、決心したのは「歩かざれば食すべからず」を座右に毎日8,000歩から9,000歩位を目標にしましたが、昨年くらいからは、股関節や、膝下が少し痛く感ぜられるようになり、無理に大きな負荷を掛けることは禁物だと考えるようになり、2020年春のコロナ禍が深刻になり始める頃から、4,000~5,000歩に緩めることとしました。
私の住いは阪急宝塚線中山観音駅裏山の頂上近くで桜台です。歩くコースは下り坂でスタートするか、上り坂でスタートするか、その日の気分次第で決めることにしています。此のコロナ禍にあっても早朝ならば誰一人にも会わずに歩くことが出来、マスクも掛けなくて済みます。しかし、20~25度位在る坂道のため、時々は平地に住んでおられる人が羨ましいこともありますが、昨今のようなパンデミック時代には、良い空気を吸い夏もマスク無しで歩けるのは幸せだと思っています。
四季折々の草花が咲き、小鳥や虫の音を聞きながらのウオーキングは愉しく、こんな折、俳人成らずともつい口ずさんでみたくなります。拙句、「ウオーキング 道にドングリ 昔を追う」(令和3年9月17日)、「捨て猫か 餌求め鳴く 坂の道」(同9月19日)。
ウオーキングに加えて必ずやることは、坂の上に着くと美しい景色の浪速平野、生駒山系、淡路島が浮かぶ茅渟(ちぬ)の海を眺望しながらラジオ体操を5-6分やることです。
歩くことが健康に最高と申し上げる理由は、何時か新聞広告で読んだ癌細胞は酸素が大嫌いである、また、日光浴をすることにより骨の健康を保つ働きをするビタミンDの生合成もされる、と言う事を信じての行動となりました。不思議なことに、そのような効果が自分自身の体調に現れているような感じがするのです。4~6カ月間隔でMRIとかPET検査を受ける度に、主治医の所見が心配になるのですが、今のところは特に大きな再発とか転移の心配は無いようだと仰って下さり、何よりの救いと幸せを感じています。これも、ウオーキングのお陰だと信じています。100歳時代に挑戦したいと思います。
ウオーキングは只ブラブラ歩く散歩と区別して考えています。私の元気の源は、もう一つあります。それは、毎友会会員であること、そして、春秋の総会で懐かしい友人達と再会できることも元気の源となっています。早く、コロナ禍が収束して従来のように、新阪急ホテルの「オリンピア」でご馳走を食べながら団欒できる日の来る事を祈っています。
(元英文毎日編集部、清水 哲明)