閑・感・観~寄稿コーナー~
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楽しい家庭菜園(林 豊一)

2020.09.29

閑・感・観~寄稿コーナー~

 家庭菜園をするようになって、2020年で11年になった。平成20年の年末で会社を退職してから、1年間はスポーツクラブに行くなど家でぶらぶらしていたが、前からしたかった家庭菜園ができることになった。畑は幸運にも自宅近くに水道付きで、幅1m長さ40mの畝2本を無償で借りることができた。

 しかし、そこは畑といっても住宅造成地の一角で、粘土質で石ころがごろごろ出てくる荒れた土地だ。野菜を作るには、まず土作りから始めなければならない。スコップと鍬で耕し、石ころを取り除き堆肥と肥料を入れての畝作りはさすがにきつかった。やる以上はできるだけ無農薬で有機栽培の野菜作りにしようと、家庭菜園の本を頼りに取り組んできた。

 野菜作りに慣れてくると、あれもこれも作りたいと欲がでてきて、少しずつ畑を増やし、今では長さ30mの畝4本を増やし、畝の長さは合計すると200mになる。それも農機具を使わず、耕すのは自分の体力のみで、おかげで体は丈夫になった。

 夏は水やりが大変で、雨が降らなければ、毎日8Lのジョウロを両手に水をやっている。その回数は十数回で、1時間も要している。もちろんホースでやることもできるが、これも運動になると頑張っている。

 畑に出た野菜の残渣は基本的に畑に戻しているが、特にトウモロコシとさつま芋の残渣の処理は大変で、畝の下に幅40㎝・深さ通路下約40㎝、(長さは残渣の量による)穴を堀り、剪定鋏で短く切り、糠とEM菌を入れて土を被せている。この作業が一番大変だ。

 肥料は基本的にボカシ肥料(糠、油粕、草木灰、魚粉、骨粉、黒糖、EM菌で発酵)を作り、主に追肥として使っている。これは、イチゴ・西瓜・メロン等の甘味を出すのに有効だ。

 春の野菜の収穫は「いちご、エンドウ豆、そら豆、じゃがいも、玉ねぎ、にんにく等」で、今年はまずまずの出来だった。

 夏野菜は、「トマト、なすび、万願寺とうがらし、ピーマン、きゅうり、オクラ、ゴーヤ、インゲン豆、すいか、メロン、かぼちゃ等」。今年の夏は雨天が続いたり、晴天が続いたり、天候不順で大変だった。夏野菜の収穫は1日でも空けることはできない。どうしても露地栽培は天候に左右される。

 今は秋の収穫に向け、サツマイモ(シルクスイート・安納芋)、里芋、生姜、落花生、大根、白菜、キャベツ、ブロッコリー、じゃがいも、葉物野菜等を作っている。

 毎日毎日野菜中心の食生活で、血液検査の数値も在職時代に比べて大幅に改善した。家庭菜園様々だ。金はないが時間だけはたっぷりある自分にとって、“家庭菜園”は、かっこうの暇つぶしとなり、今では大きな楽しみの一つであり生きがいにもなっている。

 現在、家庭菜園のベテランとして、後輩からアドバイスを求められることもある。後何年できるか分からないが、体力の続く限り続けていくつもりです。

(元資材課・林 豊一)