閑・感・観~寄稿コーナー~
SALON

安威川河川敷ウォーキング(大平 俊之)

2020.09.01

閑・感・観~寄稿コーナー~

 44年間お世話になった毎日新聞社・毎日新聞大阪センターを退職後、母親の介護をすることになり体力維持・健康保持のため手軽に運動をと考えた時、退職後には近隣の北摂の山を気ままに歩きたいと思い、還暦を過ぎた頃から休日には自宅から直ぐの安威川河川敷をウォーキングしていたこともあり、これからは毎日歩くことにしました。

 「安威川」は京都府亀岡市の竜ケ尾山を源流とし、茨木市東部を流れる一級河川です。大阪市内を流下し、神崎川に合流します。

 河川敷上流側の起点は、茨木市花園2丁目(近隣に太田小学校)で下流へ南下し、終点の安威川新橋(府道茨木寝屋川線)手前まで全長約7kmに亘ってジョギングコースが整備されていて、500m間隔の距離表示柱が立っているのと、100m毎の路面表示があるので様々なジョギングランナー達の練習コースにもなっています。

 日課に決めてから当初の私は、6km/時のペースを崩さないで日毎に上流・下流コースへとただ遮二無二に歩いていただけでしたが、今年に入ってからコロナ禍に伴うスポーツジム閉鎖で妻が一緒にウォーキングを始めてからは、河川敷に咲く野草や川辺の野鳥の姿に立ち止まっては観察することが多くなり、スマホで撮っては家に帰ってから名前を調べる日々です。ウォーキング中にジョギングする人、犬を散歩させている人、魚釣りをする人、詩吟・サックス・横笛・尺八・ギター等練習する人など、皆さん様々に楽しんでおられ憩いの場となっている様子にも目を向ける様になりました。

 緊急事態宣言期間中、平日でしたが数組の若いお父さんが小さなお子さんを遊ばせている姿や、小学生とお母さんの野草観察の様子に顔が自然とほころびます。コロナ禍で仕事も生活も大変な中ですが、親子のふれあいが子供達にとってきっと貴重なひと時になると思えました。

 此の頃から河川敷は、朝夕が特に人出が多くなり、日課のウォーキングも比較的人出の少ない時間帯と下流のコースを選ぶことが多くなりました。

 3月~6月にかけてよく歩いた人気の上流コースは、永久橋手前のポイント(上流起点まで3.5km表示柱)からスタートし、しばらく歩くと右手に広く開けた安威川敷公園が見えてきます。少年野球の練習やバトミントン・バレーボール・フリスビーを楽しんでいる家族が多く、この辺りは一番人が多いのでソーシャルディスタンスに気を付けて歩きました。

 周辺にはヒメジョン、ニワゼキショウ(白)、オオニワゼキショウ(薄い水色)、ヒルガオ等の野草も多く見られます。~上安威川橋梁(阪急電鉄京都線)~千歳橋(府道132号線)を過ぎるとダイサギ、アオサギ、シラサギ(コサギ)、ゴイサギ、カワウ、ヒドリガモ、カルガモ(特に春先)を多く見かけます。

 ~安威川橋梁(JR東海道線)~西河原新橋~大きく開けて家族連れが多い安威川・茨木川合流地点(安威川水と緑の回廊)が見えてきます。此処から川幅が狭くなり堰には小魚を狙うサギやカワウをよく見かけます。河川敷道幅も狭くなってきて行き来に気を使います。

 ~西河原橋~三島橋(国道171号線)を過ぎると左手に桜堤が一直線に続き、新入生の記念撮影ポイントで親子の微笑ましい風景を目にしました。そして、反対側には西河原公園・プールが見え正面に北摂の山がだんだんと大きくなってきました。

 川辺にはヤブカンゾウが咲いています、今年もこの付近でウグイスの鳴き声を聞きましたが姿を捉えることは出来ませんでした。~太田橋~名神高速道路を越えると竜王山や阿武山が眼前に迫ってきてしばらく歩くと上流側起点に到達です距離表示柱前で少し休み折り返します。

 7月に入り国土強靭化対策工事の一級河川安威川堆積土砂除去工事が始まり、上流へ歩けるのは2013年2月以降となりました。

 昨年に土砂除去工事が終了している下流コースは、春は左側堤防の桜並木や菜の花が目を楽しませてくれるポイント(下流起点まで3.0km表示柱)からスタートします。川辺では野鳥の姿も多くみられムクドリ、セグロセキレイ、アオサギ、ゴイサギ、カワウ、ツバメの親子の飛行訓練や、運が良ければカワセミにも会えます。

 ~先鉾橋(府道139号線)の下では、学校の一斉休校期間中はテニスの壁打ちやスケートボード、創作ダンス、グループ縄跳びの練習をよく見かけました。昨年から此処で尺八の練習をしておられた方は、上流に移動されました。(余談)すぐ先の五十鈴橋の下で鯉の群れや亀の親子を見ていたらヌートリアと遭遇したこともありました。(一度だけ)両側の野草の群生を見ながら歩いていると川辺の欄干支柱にカワセミが止まっているのを妻が発見し慌ててスマホで写真を撮りましたが遠すぎて鮮やかな色合いが写せず残念でした。

 川は軽く左に蛇行して~水管橋(ランガー)を見るとテッペンでは、よくダイサギとカワウが仲良く羽を乾かしています。~山科橋を過ぎ左手に茨木ゴルフセンターのネットが見えてきますと川は大きく右に蛇行して育英橋の手前までの70~80mに渡る淵の深みでは大型の鯉の群れを沢山見ることができ、魚釣りのポイント?で釣り人が多いのですが、ウォーキング中に釣ったところは見たことが有りません。橋を越えると川幅も広く真っ直ぐ見通しが良くなり野草が両側に沢山見ることができ、数多く野鳥の鳴き声も耳にします。

 小さな善願時橋を過ぎて道幅が狭まり両側に野草を見ながら歩いていると玉島橋(府道十三高槻線)の高く大きな橋梁が目に飛び込んできます。橋の手前に堤防へ上がる階段があり玉島橋に接続するスロープ階段を登り橋の中央から上流方面へ目を向けると北摂連山の眺めが絶景です。しばし風景を堪能しながら休憩。

 下流の最終ポイントは、すぐ先のあけぼの橋を越えて安威川新橋(府道茨木寝屋川線)手前まであと500m足らずですが、現在あけぼの橋橋梁工事中の為、玉島橋で折り返しています。

 8月に入り猛暑日が続き朝夕でもまだまだ気温が高くウォーキングは、かえって体に悪いので中断しています。気持ち良く歩ける季節になってから歩こうと妻と話していて、秋・冬の河川敷の野草や野鳥との出会いを楽しみにしています。

(元技術部・大平 俊之)

正面に阿武山
ヒメジョオンと名前を知らない花
ヤブカンゾウ(ユリ科)
ダイサギ