閑・感・観~寄稿コーナー~
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のんびりと温泉連泊の旅(箕内 正昭)

2020.03.18

閑・感・観~寄稿コーナー~

 のんびり気ままに過ごしたいとの思いから、5連泊の温泉旅行を2度楽しみました。

 1度目は2018年5月30日~6月4日です。天候をチエックして直前に予約、目指すは日本三名山の一つ、白山の山懐にある白山温泉。急がず慌てず成り行き任せ旅。サービスエリアで遊びながら、曹洞宗大本山の禅寺永平寺に到着。あいにく工事中であちこちに足場が組まれていて残念、永平寺蕎麦を食べ、福井県立恐竜博物館に寄り道しました。なんとラッキーな事に60歳から無料。これは驚き想像以上に迫力満点で恐竜が私を睨みつける。全身骨格が多数あり全部で千数百点もの標本があるらしい。

 林に囲まれた宿に着いた。早速お風呂に入る、いいお湯だ。源泉かけ流しのたたみ敷き露天風呂で、24時間いつでも入浴OK。ゆっくりつかり何も考えない、今日から5連泊この温泉は俺のものだ、ここを拠点に気の向くまま出かけよう。いろりには岩魚が串刺しになっていていかにも山の宿って感じ、山菜天ぷらなどで晩酌は石川県の天狗の舞を楽しむ。

 朝風呂で気分爽快空は青空。のんびり手取り渓谷を散策、緑と水と岩がきれい、なんといっても静か。標識で見つけた歴史館を見学した、蓮如と信長の対立で鳥越城と山内衆の歩み、加賀一向一揆の最後の砦の戦いをリアルな映像で紹介されていて興味深かった。早い目に帰り風呂に入る。夜は満天の星空こんなにも星が近かったのか、幼い頃母親と銭湯の帰りに見上げた星を思い出す。   

 次の日は反対方向に行ってみる。駐車場から少し歩くとお花畑で観光客が程よい人数でにぎわっている。ニッコウキスゲ越しに雪の白山を見ながら、旅館で握ってもらったおにぎりを食べる、空気がいいので実においしい。途中天然温泉100%で、肌が絹のようになるという美人の湯、白峰温泉に寄り道。

 白山平和泉寺という神社に参拝した。鳥居をくぐるとひんやりシーンとしている、ひっそりとした神社で参道の苔が神秘的、苔のじゅうたん寺といわれているらしい。

 すぐ近くに立派なお城が目についた。コンクリート製の模擬天守を持った勝山城博物館で、勝山出身の実業家、相互タクシーの創業者である多田清氏が寄贈されたとの事。勝山市全景が見渡せ、武具類や染織品、川中島・賤ヶ岳など各地の合戦屏風が展示されていた。

 金沢ではお決まりの東茶屋、兼六園、金沢城へ。さすがにここは今までと違い観光客が多い。何度か来た事はあるがが、こんなにのんびり歩くのは初めてで三十間長屋からブラブラと尾山神社へ、石川県能登に生まれた私の好きな武将の一人、前田利家とお松を祀る神社だ、重要文化財の神門を入ると利家公が大きな槍を手に待ち構えている。

 戦国大名一乗谷朝倉遺跡の門を一目見たくて行ってみた。繁栄を極めた城下町の面影はなく、ただひっそりとしていて、おもむきのある門だが私にはどこか寂しさを感じる風景だった。武家屋敷が数件あったが期待していただけに少しがっかり。

 同じ温泉宿で5連泊、最後までお風呂は一人だった。福井のお蕎麦はおいしい、おろし蕎麦がおすすめ。仲居さんとの会話も楽しかった、金沢市内に住み四日ほど仕事をして帰る繰り返しとか、山菜摘みに誘ってくれて天ぷらでいただいた。周辺では山羊が放たれていて、のどかな風景を満喫、のんびり気のむくまま大変満足な旅でした。

 

 

 

 次は2018年10月17日~22日、乗鞍高原温泉へ、温泉と紅葉とのんびり連泊の旅。やはり天候を考え直前に予約。サービスエリアで遊びながら気ままに走り中央道から長野県松本へ。乗鞍高原に近づけばリンゴ販売店が多い。おばちゃんが試食を勧めるので食べてみると確かにうまい、買っちゃいました。野生のサルがお出迎えしてくれた木立に囲まれた宿。早速お風呂を覗く、岩風呂で先客が二人いた。同じように連泊して明日は新潟の方へ移動するとの事、観光の情報を聞き参考にする。のんびりゆったり露天風呂を独り占め、連泊楽しみだ。食事は期待していないがその通りで揚げ物と山菜、でも空気がいいから美味しい。 

 近くの一ノ瀬園から乗鞍岳が見える、ちょうど紅葉の時期で周りが紅い、やはり天気が一番だ。善五郎の滝の標識を見つけ行ってみると途中熊避けの木太鼓がある、たたきながら進むと滝が見えた、他に人がいないので不安になる。他には三本滝、番所大滝があり水量豊富でマイナスイオンを浴びながらシャッターを切った。

 上高地へのバスは全員が着席出来る人数しか乗せない。大正池から沢沿いにのんびり歩くと田代池の清流や梓川、なんてきれいな水だ、全てに感激。上高地温泉ホテルでコーヒータイム、水が美味しい。あずさがわにそそぐわき水を使用しており喜ばれているようだ。かっぱ橋が見えた、宿にお願いしていたおにぎりで昼食だ、こういう所ではこれが一番美味しい。写真を撮る人、水彩画を描く人、みんな楽しそうで日本は平和でいいなとつくづく思う。

 乗鞍岳へはマイカーが規制されており、シャトルバスで畳平に着いた。日本一高い所にあるバス停で、7月上旬には高山植物がきれいらしいが、今日は時期が悪く何もない、雷鳥もいない。主峰3026メートルの剣ヶ峰を目指して人について行ったが途中でギブアップ、天気はいいのだが寒いので鶴ケ池を横目にバスターミナルへ戻った。日帰り入浴ゆけむり館で入浴、乳白色のお湯で旅館とは違って広い。露天風呂から紅葉と乗鞍岳の山並みを眺め、先ほどまであそこにいた事が嘘のように思える。

 塩尻ワインに行ってみた。長野県最初のワイン栽培地で、16社ほどあるらしい。駅前の観光案内所で聞き三軒ほど訪ねたが全て小規模だった。貯蔵倉を見学して試飲を楽しんだ後(私は飲まない)、記念に赤と白を購入。奈良井宿へ足を延ばした、中山道の宿場町で小物店や食べ物店が並ぶ、いかにも時代を感じる古民家でコーヒーを楽しみ、少し遅くなったので旅館に連絡をいれて帰る。

 紅葉のトンネルを走って白骨温泉に向う。朝日に照らされた木々は赤もいいが、黄色が特にきれいだ。温泉は奥深い山の中にあった。案内所のおっさんが不愛想に、今日の日帰り入浴はこことここや。その一つに行くと一時間待ちとの事で別風呂へ、中に入るといきなり露天風呂で内湯はない。乳白色のお湯にゆっくり浸かった、これが白骨の湯だ。時間がゆっくり過ぎていく、紅葉を楽しみながらお兄さんと温泉談議、今朝バイクで名古屋から来てこれから帰ると言う、若い人は凄い。湯上りのソフトクリームが美味しかったのが記憶に残っている。

 

 

 

 

 天候もよく雨は一度も降られなかった。今回も希望どおり温泉でのんびり過ごせました。予定を組んだツアー旅行ではなく、普段特に忙しい訳でもないのですが、家を離れきままに好き勝手に過ごす旅。免許返納も考えながら、あおり運転も心配しながらまた出かけたいと思っています。

(元人事総務部・箕内 正昭)