2020.01.28
閑・感・観~寄稿コーナー~
まだ私が会社に在職中だったある日、近所に住む若いお母さんから私に相談がありました。
保育所を作りたい!
最初はアパートの一室からの話が、懇意にしていた地主さんの協力もあったりして、最後は多くの賛同者から出資金を集め、1億3千万円の資金で認可保育所が建ちました。保育所を建てるなんて最初は不可能だと思ったことでも、多くの人の協力を得ることで可能にすることも経験しました。
そして60歳で定年退社した後は地域でいろいろと活動する中で、自分の趣味であるパソコンを何とか役立てる手立てがないものかと考えた時、年金者組合に参加していた関係で、組合員さんにパソコンやりませんかと声をかけたら、教えてほしい人がすぐに10人ほど集まりました。それが2008年ごろのことでした。
年金者組合ですからみなさん60代以上の方。中には80代の人も入ってきました。お年寄りにパソコンを教えるには、「ボチボチ覚えてや」これですわ。町の高いパソコン教室では入会金とか授業料を払ったら10数万円もするけど、キーボードも触ったこともない、マウスの操作もしたことない人に、毎日ページをめくられてもついて行けるわけがない。
一日ひとつだけパソコンの機能を覚えてや、これが私の教室のモットーです。同じことを何度も繰り返すことで、覚えるしかありません午後1時から5時までの教室で、それが月に3回もやります。
自宅にあるパソコンも持ってきますが、その頃はXPのパソコンを持ってくる人もいたりで、どんなパソコンを持ってきても対応してあげます。パソコンが新しくても古くても、それぞれのパソコン用にマニュアルも作りました。中には壊れたパソコンを持ってきて、先生直してと言う人もいたり、新しく買ってきた
パソコンを設定してと言う人もいたりで、もう何でも屋です。
パソコン教室をしていることが他のサークルの人たちに口コミで広がって、うちのサークルでも教えて
ほしいと声がかかるようになって、最大6教室に増えました。それぞれ午前の部と午後の部ですから、どの教室も3時間以上の授業です。
パソコンを教え始めてもう12年くらいになりますが、平日のほとんどはパソコン教室に出張して教えています。同年配の人たちといろいろと世間話も含めてお話をしたり、パソコンを教えたりで、日々惚け防止にはこれが一番いいのではと思っています。人に喜ばれることで社会貢献できる幸せを感じています。
(元大阪センター出向・重田 輝雄)