2019.11.07
閑・感・観~寄稿コーナー~
私は毎日新聞で33年間の勤務後、地元CATVの立ち上げに参画して70歳で退任、現在は趣味の毎日です。最近は地元のカメラ好きを対象に写真教室を開催して忙しくしています。
さて、昨今の各地の写真展は、いずれ劣らぬ強豪揃いで、なかなか入賞できません。そこで一念発起、通常の写真ではダメか、何か目新しい被写体はないか、と思いついたのが太陽そのものでした。
普段、太陽は明るすぎて日食や月食くらいでないと、太陽を観る機会は無いのですが、色々な飛行物体が太陽を横切っています。そこで、その写真撮影が可能なのは、横切る飛行物体は大きいこと、ある程度飛来の規則性があること・・など勘案の結果、ISS(国際宇宙観測ステーション)が太陽を横切る写真が撮れないか?と思いつき、ISSの軌道計算しているWebサイトを見つけました。
その結果、年に数回ですが加古川周辺の頭上で、太陽面をISSが横切る現象があることを見つけて撮影用の機材(通常のデジタル一眼レフカメラなど)をそろえて挑戦することにしました。肉眼では見えない相手の撮影には何日何時何分何秒と1秒の誤差も許されません。なにせ横切る時間は1秒程度ですので撮影は至難の業です。
写真①は撮影時が昼間の為、1/100000の減光フイルターを使用、電波時計などを駆使、幸いも太陽面を横切るISSの撮影に成功しました。太陽面の横断時間は約1秒間でした。
ISSの大きさはテニスコート7個面の広さ、形状は太陽光受光パネルを広げたもので、ISSまでの距離は、加古川から東京までに相当する距離になります。
写真②は日本本土から観測できる今世紀最後の金環日食(2012.5.21撮影)を5分間隔で、6時15分から約2時間半の間、撮影したものを合成したものです。
写真③は三日月を横断するISSです。
この3枚の写真はいずれも加古川市内から撮影、使用カメラは通常のデジタル一眼レフカメラです。
(元制作システム部・西浜 彰夫)
※ 以上3枚の写真は何れも加古川市写真展で入賞、入選した作品です。