閑・感・観~寄稿コーナー~
SALON

神島88カ所が結ぶ縁(伊藤 博俊・梶川 伸)

2019.09.25

閑・感・観~寄稿コーナー~

 整理部で同僚だった伊藤博俊さんからメールが来ました。故郷の岡山県笠岡市に戻っているそうです。

 伊藤さんには、笠岡市・神島(こうのしま)の写し霊場(四国88カ所のミニ版、島四国)を教えてもらい、2002年に余録の中で取り上げさせてもらったことがあります。神島の神内(こううち)小学校の児童とお遍路さんとの触れ合いについてです。中央教育審議会が、郷土愛や愛国心を教育基本法に盛り込むように答申し、それに違和感を持ったからでした。

 伊藤さんは神島小学校を訪ね、余録を話題にしたと書いていました。懐かしく思ったので、伊藤さんの了解を得て、メールの抜粋を掲載させてもらいます。(元地方 梶川 伸)

     ◇

 以前「神島八十八カ所」を紹介した「余録」のことを思い出しました。ネットで検索すると、講演でも取り上げ
て頂いていることも知りました。本当に感謝します。
 私は仕事中に、タチの悪い不整脈で倒れ一命は取り留めましたが、病には勝てず、2年近く前に故郷・笠岡に戻りました。不整脈に加え糖尿病、高血圧など生活習慣病とも闘っており、色々制限されています。独り暮らしなので、それはそれは大変です。
 過日、(家の前が遍路道なので)従兄に「お遍路さん」のことを聞きました。橋と埋め立てで(神島は)地続きになり道路も整備されて、島の魅力がなくなったのか、たまに見かける程度だけそうです。

 私が幼少(昭和30年代)のころは、お遍路さんだらけで、祖母はラムネなどを売って商売していました。その当時と比べると10分の1くらいでしょうか。

 四国に似た地形と素朴な神秘的な島だったからこそ「八十八カ所巡り」に多くの人が訪れたのでしょう。だからこそ、神内小の先生が魅力を取り戻そうと考え(神島88カ所のホームページを開設し)たのでしょうか。先生の転任と同時にHPも閉鎖されたようです。
 一昨日、情報調査室に「余録」のことを調べて頂いて、掲載日が分かり大阪開発に連絡、すると紙面コピーが即昨日届きました。神内小に連絡し掲載のことを話すと全く知りませんでした(掲載後に新聞を送ったのですが)。通院ついでに60年ぶりに学校を訪問し「授業の参考にでもしてください」と紙面コピーを渡しました。児童に学習がてらに「八十八カ所巡り」をさせようと仰ってました。
 
 本社画廊で時折展覧会を開いている(今春も開催)画家の池田清明って知っていますか。神内小出身で私の一学年下。私も初めて知り驚きました。その作品を見てください。何番札所か分かりませんが、そこから見た作品です。神内小や公民館、カブトガニ博物館が描かれています。
 お遍路さんを見かけたら、話を聞き写真も送ります。それではまた。(元編集制作センターG2・伊藤 博俊)

神島88カ所の札所の札所のほとんどは、小さな堂になっている
2002年12月16日の余録
池田清明さんの作品