閑・感・観~寄稿コーナー~
SALON

オカリナを楽しんでいます(宮川 恒二) 

2019.06.25

閑・感・観~寄稿コーナー~

 毎日を退職して30年、その後自営業を20年ばかり続けて、古希を機に閉店しましたので、日曜日が増えました。

 十年ほど前に地域で「第九」を歌う混声合唱団の立ち上げに関わり、公演後も引き続きお世話をし、私もテナーのパートに入れてもらいました。100人ほどの団員でオーケストラをバックに歌ってきましたが、4年前の胃がんの手術以来声がかすれるため退団し、退屈していた頃この地域の公民館活動に「オカリナ同好会」があることを知り、仲間に入れてもらいました。現役時代ミナミで飲んだ帰りにヤマハか三木楽器で衝動買いしたオカリナが自宅にあり、挑戦しました

 宗次郎がテーマ曲を吹いたかつてのNHK番組「大黄河」がオカリナの音色です。ご存知と思いますが、通常のオカリナは粘土を焼いて作られた陶製の楽器で1.5オクターブしか音が出ず、指で塞ぐ穴が12~13在りますが人の指は10本しか在りませんので、1本の指で同時に2箇所を押さえることもあります。お値段も1万円札でお釣りがきます。始めた時は誰でも簡単に音が出るので侮っていましたが、上達(?)するとともに吹き込む息の強弱や押さえる穴の指が少しでもずれていると音程も変わり、音感が鈍い私でも音程がええ加減なのに気づき、毎日チューナーを見ながら苦戦しています。

 高齢の会員10人で指導者がいませんので、一番しっかりした人を芯に独学でやっています。これまで練習した易しい曲を中心に何十曲か吹けますので、それを使い回しして、老人会の集まりや障害者施設で聴いてもらいます。懐かしのメロディや民謡、童謡、クリスマスソング、と何でも屋で、こんな”お座敷”では聴き手の皆さんが一緒に歌ってくれるのでアラを隠せます。

 驚いたことに普段ものを言わないおばあさんが我々の「ふるさと」のメロディが始まると「兎追いし・・」と歌い出してくれたことです。幼少期の記憶が失われていないのですね。アンコールを受けることもしばしばで、定番は「六甲おろし」で締めくくります。ユニクロのワゴンセールで買ったポロシャツにオカリナのワッペンをつけた舞台衣装もあります。

 市の文化祭や公民館発表会では4部や2部の合奏を披露しますが前述のように指揮者もいませんし、舞台だと広いのでお互いの音を聞くのが大変で緊張しますが、そこは年寄りの厚かましさで乗り切っています。これからもボケ防止のため続けていく所存ですがだんだん早い指回しや楽譜を見る視力も衰えますので大変です。前会長迫田先輩の同じマイナーな楽器”二胡”演奏に負けないよう精進したいと思っています。(元写真部 宮川恒二)

演奏の模様
オカリナ