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台風21号で冠水「関空大打撃」 毎日新聞写真に新聞協会賞

2019.09.12

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 2019年度日本新聞協会賞の優れた報道に贈られる編集部門で、2018年9月の関西国際空港の台風被害を撮影した毎日新聞大阪本社写真部、幾島健太郎記者の「台風21号 関空大打撃」(2枚組み写真)が選ばれました。毎日新聞の編集部門での受賞は4年連続31件目で、同部門の最多記録を更新しました。大阪写真部の新聞協会賞は初めてです。

 18年9月4日、台風21号は近畿地方を縦断。関空の滑走路や駐機場が高潮で冠水し、空港沖に停泊していたタンカーが強風で流されて連絡橋に衝突しました。鉄道・道路が不通となり、利用客や従業員ら約8000人が一夜、空港内に足止めされました。

 幾島記者は台風通過後の4日夕、航空部の小宮山和秀操縦士(現・西部駐在)、猪本正道整備士(同)とともに、本社ヘリコプターに搭乗して大阪(伊丹)空港から離陸し関空上空に到達。気流が激しく日没間近という厳しい撮影条件の中、雲間から西日が差した瞬間、黒々とした海水に覆われた空港の様子を撮影しました。タンカーの衝突現場と合わせ、大きな被害を象徴する写真として国内外のメディアでも掲載されました。

 新聞協会は「西日が差し込んだ一瞬を逃さず空港島の様子を捉えたカメラマンの技量と判断力は卓越しており、報道写真の力を内外に示した。自然災害が多発する中、台風被害の甚大さを伝え、読者に大きなインパクトを与えた」と高く評価しています。

(代表室)

幾島健太郎記者
関西国際空港と対岸を結ぶ連絡橋に衝突したタンカー。新聞協会賞受賞の1枚=毎日新聞社提供
関西国際空港と対岸を結ぶ連絡橋に衝突したタンカー。新聞協会賞受賞の1枚=毎日新聞社提供