2025.08.04
閑・感・観~寄稿コーナー~
「50周年記念わたぼうし音楽祭~障害のある人たちの心を歌う 50回目の喜怒哀楽」が2025年8月3日、奈良県大和郡山市、やまと郡山城ホールで開かれました。当初から毎日新聞が支援してきたので、会場には毎日の関係者の姿をもありました。
音楽祭は障害のある人が書いた詩(生きることや暮らすことで感じた思いや夢)を音楽に乗せ、社会に届ける催しです。 主催するのは、奈良たんぽぽの会、社会福祉法人わたぼうしの会、一般財団法人たんぽぽの家からなる市民活動で、毎日新聞が後援しています。
毎日新聞記者だった播磨靖夫さんが早くに退職後、この活動に深くかかわり(たんぽぽの家理事長、2024年10月3日に82歳で死去=文化功労者)、音楽祭を牽引しました。1976年に奈良で始まった音楽祭はアジア・太平洋地域へと広がっています。
今回は全国から寄せられた650を越える応募の中から8作品が選ばれ、演奏の後、各種の賞が授与されました。記念の大会ということもあって1000人収容のホールはほぼ満席の盛況でした。
毎日新聞関係者では、井上大作・奈良支局長が審査員の1人を務め、舞台で毎日新聞社賞状を手渡しました。支局の記者は取材に当たりました。現役の記者のほか、中国・上海市での音楽祭を取材した経験のある原田英美さん(現・福島大学教授)も姿を見せました。支援を続けている社会事業団からは2人。1人は毎回、カメラマンを引き受けているそうです。
毎友会のメンバーは4人。その中の1人は山田穣さん(元毎日ホール出向)。1977年に奈良支局長になり、音楽祭には2回目からかかわり、たんぽぽの会の運営委員も務めました。「ほとんどゼロから出発した活動。スポンサー探しなど大変で、どうなることかと思った。播磨さんを中心にした小さな一粒一粒の積み重ねで、ここまで来られた」と感慨深そうに語っていました。
(元地方部、梶川 伸)