2023.08.09
先輩後輩
「人をつなぐ 物語をつむぐ~毎日メディアカフェ9年間の挑戦」(あけび書房)を2023年7月25日に出版しました。
毎日メディアカフェは2014年4月の設立以来、9年間に約1000回のイベントを実施し、2023年3月に活動を終了しました。水と緑の地球環境本部長だった私が、外部の協力者とともに、「水と緑の地球環境本部のオープンルーム(縦横約6メートル×6メートル)を毎日メディアカフェとして、一般の人が自由に入れるようにする。そこでは、時々、イベントを開催する。企業・団体に年間20万円の協賛金をいただいて運営する。協賛企業・団体は1年間に2回まで、毎日メディアカフェでイベントを実施することができ、イベント内容は毎日新聞東京都内版で記事掲載される」というコンセプトをまとめ、CSR(企業の社会的責任)実践の場として活動を始めました。
毎日新聞記者が自身の取材や記事について語る記者報告会、シリーズ化された「元村有希子のサイエンスカフェ」、近未来研究会の連続企画、ダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(障がいのある人もない人も一緒に生きる)をテーマとした企画、地方自治体の活性化を目指すイベント、東京電力福島第1原子力発電事故に関連した問題を考えるシンポジウム、日本労働組合総連合会や日本教職員組合とともに開催した教員の長時間労働やブラック部活動などをテーマとしたシンポジウム、協賛企業・団体のCSR・SDGs活動、NPOの活動報告、東日本大震災被災地支援のイベントやマルシェ(市場)など、極めて多彩な活動を展開しました。
毎日メディアカフェは登壇者、参加者からはたいへん好評でしたが、コロナ禍で十分な活動ができない時期が続き、協賛企業・団体が減って十分な利益を上げられない状況となりました。毎日新聞社の事業見直しに伴い、私の退社と同じ2023年3月末に終了となりました。
登壇者、常連参加者を招いて開催した3月28日のファイナルイベントの際、あけび書房の岡林信一代表取締役から「毎日メディアカフェのことを書きませんか」と声をかけられ、4月からの再就職先が決まっていないこともあり、原稿を書き始めました。イベントの内容は原則として、私が当日中に毎日メディアカフェのフェイスブックページに2000~3000字程度の詳報を掲載し、その後、毎日新聞東京都内版に40行前後の記事を掲載していました。これらの記事をもとに、2カ月で335ページ(約21万字)を書き上げました。
本文で紹介した約100件のイベントのほか、巻末で約200件のイベントについて、開催タイトル、登壇者名を記載しています。お名前が記載されている方は500人以上です。本のタイトルである「人をつなぐ、物語をつむぐ」試みであったことが、本をお読みくださると伝わるのではないかと思います。毎日メディアカフェは社会課題の解決を目指す企業・団体、NPO、市民の交流・発信の場でした。何らかの社会課題解決を目指す方にとって、それぞれの分野でどういう団体、人が活動しているのか、どのような考えで活動しているのかを知ることができる本だと思います。
しばしば毎日メディアカフェに登壇してくださった「ほぼ日」社長で、伝説のコピーライターの糸井重里さんが推薦文を寄せてくださっています。
新聞社にはこんな素敵な活動ができるのだということが、一人でも多くの方に伝わることを願っています。
(斗ヶ沢 秀俊)
斗ヶ沢秀俊(とがさわ・ひでとし)さんは1957年、北海道赤井川村生まれ。東北大学理学部物理学科卒業、1981年毎日新聞社入社。静岡支局、東京本社社会部、科学環境部、ワシントン支局、福島支局長、科学環境部長、水と緑の地球環境本部長、健康医療・環境本部長を歴任。2014年毎日メディアカフェを設立、責任者を務め、1000回のイベントを実施。2023年3月、毎日新聞社退社。
「人をつなぐ 物語をつむぐ~毎日メディアカフェ9年間の挑戦」は、あけび書房刊、2200円(税込み)
(トップページ→新刊紹介)
=東京毎友会のホームページから2023年8月3日
最近の投稿
2024.10.27
元外信部、経済部の嶌信彦さんが『私のジャーナリスト人生 記者60年、世界と日本の現場をえぐる』を刊行=東京毎友会のHPから
2024.09.18
新刊紹介 71入社、元長野支局員で元村長・伊藤博文さんが『あの世適齢期』を刊行=東京毎友会のHPから
2024.09.09
新刊紹介 95歳、元気でコラム執筆の元エコノミスト編集長、碓井彊さんが「日本経済点描 続々編」刊行≒東京毎友会のHPから
2024.08.22
新刊紹介 『未来への遺言 いま戦争を語らなきゃいけない』を前田浩智主筆、砂間裕之取締役が共著で=「日本記者クラブ会報」マイBOOK、マイPR転載(東京毎友会のHPから)