閑・感・観~寄稿コーナー~
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私の所属するユニークな「異業種の集まり」について(入口 邦孝) 

2021.08.11

閑・感・観~寄稿コーナー~

 私の私的な活動の一つに、「異業種の集まり」があります。正式な名称はプライベートな集まりなので控えますが、ユニークさもあるので、少し紹介してみましょう。

 現在の定例メンバーは10名ですが、30年ほど前にメンバーの一人の呼びかけで始まり、自然にメンバーが増え、15名ほどになっていました。

 「異業種の集まり」というごとく多方面の職種にわたっています。しかし、発足から30年近くになりますので、現在はメンバーのほとんどがリタイアしていて、現役は若干になりました。

 メンバーの現役時の所属社名のみを紹介しましょう。

 1.京都産業大学 2.村田製作所 3.松下電工 4.NTT 5. 川崎重工業 6.住友銀行(現三井住友銀行) 7. 熊谷組 8.サカタインクス 9.住友金属 10.三菱電機 11. 丸一(株) 12.建築研究所 13.毎日新聞社

 勉強会は2か月ごとの偶数月で、テーマは異業種の集まりだけあって非常に幅広く、30年ほどの間に、地球史や宗教史を含む歴史、国内の産業・経済・時事・年金・社会保障、世界の自然環境などを取り上げてきましたし、時には各自の旅行紹介などもありました。テーマとスピーカーはメンバーが輪番で担当し、毎年末に翌一年の当番を決めていました。

 当初のころの勉強会当日は15時に大阪・肥後橋のYMCAに参集し、17時までの2時間その近くで会議室を借りていました。勉強会後の懇親会は近くの北京料理「徐園」で、後の二次会はメンバー行きつけの店や北新地へ出かけていたものです。メンバーには国内だけでなく海外への出張や転勤で勉強会を不在することもありましたが、勉強会は途切れることなく続いています。

 10年ほど前からは時間は変わりませんが、場所だけを天満橋のドーンセンターやエルおおさか(府立労働会館)に移しました。従って、後の懇親会もその界隈や時には本町あたりまで足を延ばすこともありました。2020年からは新型コロナ蔓延の事情からSkipeやZoomを使ったパソコンでのオンライン勉強会に切り替えており、後の飲み会もそのままオンラインで楽しみます。

 以前は当番スピーカーが、作成した資料をプリントして配布するか、パソコンとプロジェクターを持参して資料を壁かホワイトボードに投影して行っていましたが、オンラインでは各メンバーが自分のパソコン上に資料を共有してスピーカーの説明や意見交換をしますので、資料のプリントもプロジェクターも不要になり、楽になっています。

 最近扱ったテーマには

1.AIと5Gによる未来 2.確定申告の税務処理と医療控除 3.魏志倭人伝と邪馬台国 4.タスマニア島の紹介 5.神代3代 6.日本のGDPの変異と新型コロナ終息後のリスク

などがあります。AIと5GはネットでのYouTube大学の資料を使っていました。タスマニアはメンバーの一人がオーストラリアのタスマニア大学へ留学(リタイア後)していました。オンラインでは、メンバーの登山愛好家が現地から直接参加したり、リタイア後に遠方に住居を持った人が自宅から参加しますし、従来と様変わりを生んでいます。いろんな職種のメンバーがいますので、テーマに事欠くことなく、いつも熱心な意見交換があり、メンバー間の雰囲気が良いのが、30年もの長続きの元になっていると思います。

 オンライン飲み会は、勉強会後にそれぞれが自分の好みのビールやワインに料理やつまみなどをパソコンの横に置いて、みなさんと会話しながら嗜みます。時にはご家族が参入することもあるのが、かつての本人たちだけの飲み会だったのと、これも様変わりでしょうか。SkipeやZoomの使用時間の制約がありますが、服装も普段着のままですし、結構なごやかに楽しく推移します。

 勉強会は外に出ることもあり、この秋にはメンバーに水彩画の個展を開く人がいますので、コロナの状況をみながら、個展鑑賞にからめた勉強会が予定されています。また、かなり以前に京都・伏見の蔵元を見学し、蔵元で講座を持ったことがありますが、メンバーにはリタイア後、クラフトビールの製造を始めた人がいますので、ホップの栽培や仕込みなどを見学がてらに現地での勉強会も考えていますし、魏志倭人伝の卑弥呼の居処ではとの脚光を浴びている滋賀県守山市の弥生時代後期の巨大遺跡「伊勢遺跡」に関わる人がいますので、コロナ騒動が終息すれば現地見学をして、現地での飲み会が実現しそうです。

 概略的に紹介しましたが、メンバーも高齢化しつつあって、80歳代をはじめ、ほとんどが60歳代後半から70歳代です。この先どのように推移するかわかりませんが、このようなグループに加わっていることで、自分の担当講座に備えた必要な調査や写真撮影など資料作りであちこちに出向くこともあり、資料をまとめる段階ではパソコン相手に試行を重ねますので、老後を閉じこもることなく、刺激を受ける有意義さを感じながら日々を過ごしています。

                       (元印刷局・入口 邦孝)

入口邦孝さん