2020.05.23
閑・感・観~寄稿コーナー~
剣道の再開は、元々運動が苦手で体のあちこちがぷよぷよし始めたのと、剣道を再開していた親友がカッコ良く見え、50歳を目前に土日がお休みの管理職になったタイミングで、高校卒業以来30数年ぶりに地元の剣道クラブをのぞいたのがきっかけでした。しかし、剣道愛好家の方には悪いのですが、剣道はきつい、汚い(今は十分な清潔グッズがあるのでそんなに汚くない)、痛いで、現役時代はほとんど良い思い出はなかったのですが、当時のクラブ員には恵まれ、今でも同期、先輩、後輩たちと楽しくOB会に参加させてもらっていたことも後押しにつながりました。
再スタート当初は袴のはき方も忘れていて、竹刀もまともに振れませんでしたが、いざ初めて見ると剣道の奥の深さにどっぷりとはまってしまいました。
僕が門をたたいたのは藤井寺剣道薙刀協会で歴史があり、何より指導者先生方に恵まれ、年齢なりの剣道を、がモットーでした。
高校3年間で行うクラブ活動ではなく、社会人になってからの剣道は自分のペースで、長いスパンで自分なりに成長できる武道である事を気づかせていただきました。
慣れてくると稽古は激しく、70歳台の先生に振り回され、基本稽古から1時間も稽古をすると、体はぐったりとしますが、大きな声を出し、体を思いっきり動かし、充実感と共に適度な疲労感も味わえます。ストレス発散にはもってこい。また、ご高齢の先生方を見ていると、まだまだやれると励まされ、この年になり、なかなか経験できない事が出来ています。
もちろん、身体の鍛錬もありますが、剣道はそれ以上に心(精神)の向上を大切にすること、高校生の時には気づけなかった事に気づく事が出来ました。
また、剣道の面白さは60歳過ぎても普通の中学生、高校生なら十分に互角に戦え、試合には勝てなくても、昇段審査という制度があります。自身の努力次第で上を目指す事が出来、高校生の時に初段でしたが、12年かけて、まだまだですが、現在は4段です。とは言っても、やはり、きつい、痛いで、冬の間は寒いし足が遠のく事もありますが、無理のないように出来る範囲で、週1回を目標に継続しています。また、稽古に参加しない日もできるだけ、家で竹刀の素振りをやっています。
今はコロナの影響で、稽古自体が3月から中止となっていますが、自宅での素振りはなんとか続けています。剣道はしんどい事も多々ありますが、得るものもあり、人生のスパイスとして、再開できて今は良かったと思っています。
(大阪技術センター 奥村 義彦)